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新居の庭で“業者の忠告”を無視して目隠しフェンスを設置→40代夫婦が直面した“約20万円の追加出費”

  • 2026.9.27
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

戸建てを購入すると、「庭で人目を気にせず過ごしたい」と考える方もいるのではないでしょうか。テレビやSNSなどでは、芸能人が隙間の少ない目隠しフェンスで庭を囲んでいるのを見かけることがあります。道路や隣家からの視線を気にせず庭で過ごせる様子を見て「自宅にも設置したい」と思う方もいるでしょう。

目隠しフェンスは、周囲からの視線を遮り、プライバシーを確保する方法のひとつです。一方で、目隠し効果ばかりを重視すると、設置してから思わぬ不便に気づくこともあります。

今日は、新築戸建てを購入した40代夫婦から聞いた、目隠しフェンスをめぐる失敗談をご紹介します。

「もう隣人の視線を気にして暮らしたくない」と目隠しフェンス設置を決断

Aさんは40代の会社員です。妻と二人で新築戸建てを購入し、新生活を始めました。二人が新居で特に大切にしていたのが、プライバシーです。

以前住んでいた住宅では、隣家からの視線が気になり、落ち着いて過ごせないことがあったそうです。Aさんは「せっかく家を買うなら、今度こそ周りの視線を気にせず暮らしたい」と考えていました。

ところが、新居で暮らし始めてみると、庭に出た際に道路や隣家からの視線が思った以上に気になったといいます。

「これだと、せっかく庭があっても落ち着かないよね」

そこでAさん夫婦が考えたのが、境界沿いへの目隠しフェンスの設置でした。二人が希望したのは、高さがあり、外から庭の様子がほとんど見えない隙間の少ないタイプです。

「どうせ付けるなら、外から見えないものにしたい」

妻も同じ考えだったため、Aさんはその希望を外構業者へ伝えました。

しかし、担当者から返ってきたのは、意外な言葉でした。

「ここまで隙間のないフェンスで囲うのは、あまりおすすめしません。風が抜けにくくなるので、少し隙間のあるタイプにしたほうがいいですよ」

担当者は、視線を遮りながら風を通しやすいルーバータイプ(羽板を斜めに重ねるなどして、外からの視線を遮りながら通風にも配慮したもの)なども提案してくれたそうです。

それでもAさん夫婦の頭には、以前の住まいで感じていたストレスが残っていました。

「目隠しなのに隙間があったら、付ける意味がないと思うんです。多少風が通りにくくても、外から見えないほうを優先したいです」

業者から改めて風通しについて説明を受けたものの、二人の考えは変わりませんでした。最終的にAさん夫婦は業者の忠告よりもプライバシーを優先し、当初希望していた隙間の少ない目隠しフェンスを設置してもらうことにしたのです。

完成直後は大満足。しかし、次第に庭の異変に気づく

目隠しフェンスが完成した直後、Aさん夫婦は仕上がりに大満足だったそうです。道路側から庭を確認してみると、これまで気になっていた外からの視線はほとんど遮られていました。

「やっぱり、こっちにして正解だったね」

妻も満足そうで、Aさんも「これなら庭でコーヒーを飲んだり、休日にのんびり過ごしたりできそうだ」と、新居での暮らしを楽しみにしていました。ところが、実際に生活を続けているうちに、少しずつ違和感を覚えるようになります。

ある暑い日に庭へ出たAさんは、空気がこもっているような感覚が気になりました。

「なんか、ここだけ妙に暑くない?」

フェンスを設置する前と比べると、庭を吹き抜ける風が明らかに少なくなったように感じたそうです。特に気温の高い日は蒸し暑さが気になり、せっかく庭に椅子を置いても、長時間くつろぐ気にはなれませんでした。

さらに、妻も別の変化に気づきます。

「洗濯物、前より乾きにくくなった気がする」

庭側に洗濯物を干していても風が通りにくく、以前より乾くまでに時間がかかるように感じたといいます。

外からの視線を気にせず、夫婦でゆっくり過ごすためにつくったはずの庭。それなのに、暑さや風通しが気になるようになり、二人が庭へ出る機会は次第に減っていきました。

夫婦げんかの末、約20万円かけてフェンスをやり直すことに

庭を使う機会が減っていくにつれ、Aさん夫婦の間でもフェンスへの不満が大きくなっていきました。

ある日、妻からこんなことを言われたそうです。

「だから業者さんが、やめたほうがいいって言ってたんじゃない」

Aさん自身も風通しの悪さは気になっていました。しかし、自分たちで希望して設置しただけに、すぐには納得できなかったといいます。

「でも、隙間があったら外から見えるだろ」「でも、これじゃせっかくの庭を全然使ってないじゃん」

せっかく新築戸建てを購入し、二人で考えてつくった庭です。それだけに、お互いの不満がぶつかり、フェンスのことで夫婦げんかになることもありました。

以前の住まいでは隣家からの視線がストレスになっていたAさん夫婦。その悩みを新居では繰り返したくないと設置したフェンスが、今度は二人の言い争いの原因になってしまったのです。

このままではいけないと考えたAさん夫婦は、再び施工を担当した外構業者へ相談しました。

庭の状況を伝えたところ、担当者から提案されたのは、すべてのフェンスを撤去するのではなく、一部を風が通りやすい仕様へ変更する方法でした。

そこでAさん夫婦は、道路や隣家からの視線が特に気になる場所には目隠し効果の高いフェンスを残し、それ以外の一部を通風に配慮したタイプへ交換することにしました。

しかし、一度設置したフェンスをやり直すには費用がかかります。既存フェンスの撤去・処分、新しいフェンスの材料費や施工費を合わせて、追加でかかった費用は約20万円でした。

実際の工事費用はフェンスの種類や施工範囲、現場の状況などによって異なります。それでも、Aさん夫婦にとって約20万円の追加出費は決して小さなものではありませんでした。

目隠しフェンスは「見えないこと」だけで選ばない

目隠しフェンスを設置する際は、外から見えにくいことだけでなく、風通しや採光とのバランスも考えることが大切です。

フェンスには、隙間の少ないタイプのほか、視線を遮りながら風を通しやすいルーバータイプなどもあります。また、道路や隣家からの視線が気になる場所だけ目隠し効果を高め、それ以外は風が通りやすい仕様にするなど、設置場所によって使い分ける方法もあります。

特に、施工業者から「この仕様はおすすめしない」と止められた場合は、その理由をしっかり確認しましょう。プロの指摘には、完成後の暮らしを想定した理由があるかもしれません。

一度設置したフェンスをやり直せば、Aさんのように追加費用が発生する可能性もあります。目隠しフェンスはプライバシーだけを優先せず、風通しや高さ、設置範囲なども含め、実際の暮らしをイメージしながら選ぶことが大切です。



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


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