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「最後まで流すんだな」披露宴で友人が流した曲。だが、友人が明かしたかった思い出に心温まった瞬間

  • 2026.8.16

歌うのかと思っていたら、流れてきたのは音源でした

先輩の結婚式に参列したときのことです。

私は新郎側の招待客として、顔なじみの少ないテーブルに座っていました。

披露宴も中盤に入り、新婦の学生時代からの友人だという女性がマイクの前に立ちました。

「今日は、どうしても2人に聴いてほしい曲があります」

余興で歌うのかなと思っていると、女性は少し照れたように笑って続けました。

「私が歌うより、この曲そのものを聴いてほしくて」

やがて会場に流れ始めたのは、多くの人が一度は耳にしたことのある有名な曲でした。

最初は私も、素敵な選曲だなと思って聴いていました。

ところが1番が終わっても曲は止まりません。間奏を挟み、そのまま2番へ入っていきます。

どうやら一曲すべてを流すようでした。

周囲でもグラスに手を伸ばしたり、隣の人と顔を見合わせたりする人がいました。

私自身も、正直なところ「最後まで流すんだな」と少し戸惑っていました。

すると曲が終盤に差しかかったころ、マイクの前にいた女性が静かに口を開いたのです。

「長くなってしまって、すみません。でも、この最後のところまで聴いてほしかったんです」

最後まで流したかったのには、理由がありました

女性は、新婦と学生時代を一緒に過ごしたころの話を始めました。

当時、新婦には進路や人間関係で落ち込んでいた時期があり、放課後になると友人と一緒にこの曲を何度も聴いていたそうです。

なかでも新婦が好きだったのが、曲の終盤でした。

「いつも最後まで聴いてから、『明日も頑張ろう』って言ってたよね」

女性がそう話すと、新婦は少し驚いたような顔をしたあと、笑いながら何度もうなずいていました。

女性にとっては、結婚を迎えた新婦に昔のことを思い出してほしいという気持ちがあったのでしょう。

だから途中で曲を切るのではなく、あえて最後まで流したかったのだと分かりました。

さっきまで少し手持ち無沙汰そうにしていた会場も、その話を聞いて空気が変わりました。

曲が終わると、今度は自然に大きな拍手が起こりました。

私も最初は、披露宴で一曲まるごと流すのは少し長いのではと思っていました。

けれど、その人なりの理由を知ると印象は変わります。

伝え方にはいろいろあるものです。あの日の数分間も、長い付き合いだからこそ贈ることのできた、友人なりのお祝いだったのだと思います。

※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています。

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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