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今、図書館作りが面白い!〈荒尾市立図書館〉の誕生秘話から、本をめぐるビジネスを学ぶ一冊

  • 2026.8.13
『奇跡のプロジェクト 図書館が街を変えた!』の書影

地方創生の新たな可能性を示した〈荒尾市立図書館〉の誕生秘話

ネットでは入手しにくい本もすぐに読むことができたり、静かな環境でリモートワークに集中できたり。公立図書館の可能性は、近年ますます広がっている。そんな中、図書館が地域の活性化までを成し遂げたという事例が熊本県の〈荒尾市立図書館〉だ。

〈荒尾市立図書館〉の、親子で本を読める「おやこのコーナー」。荒尾市の地理的な特徴を汲んだ、干潟を感じさせる美しい空間だ。撮影:佐藤振一/提供:荒尾市立図書館

本書は、2022年に同館が生まれ変わるまでのドキュメントを、プロジェクトを成功に導いた一人である紀伊國屋書店代表取締役会長の高井昌史が詳細に綴った一冊である。市長、ショッピングモール運営企業の会長、店長、教育委員会と市役所の職員、設計を務めた建築家、工事関係者……様々なプロフェッショナルが交わる舞台裏は、『日曜劇場』さながらのドラマティックな展開を見せる。

著者は紀伊國屋書店に入社後、官公庁や大学への外商から図書館の立ち上げへの参画、現在は会社のトップとして海外での書店ビジネスを推し進める、本を売ることのプロ中のプロ。本が持つ可能性を誰よりも信じる著者の強い気持ちこそが、〈荒尾市立図書館〉を成功へと導いているのだ。本をめぐるビジネスの基本から未来までを学べる稀有な一冊である。

なぜ図書館のリニューアルが求められたのか、その背景にある地方行政のリアルから、紀伊國屋書店の図書館作りと電子図書館の取り組み、人生をかけて書店ビジネスに携わってきた著者だからこそ書ける、本が救う地域と文化の未来の話まで。〈荒尾市立図書館〉誕生のキーパーソンたちの証言を織り交ぜながら、図書館が街を変えていくドラマが綴られる。東洋経済新報社/1,980円。
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