1. トップ
  2. カルチャー・教養
  3. 初デート後の連絡タイミングは「翌朝」が最も効果的だった――焦らし作戦は裏目に

初デート後の連絡タイミングは「翌朝」が最も効果的だった――焦らし作戦は裏目に

  • 2026.9.23
初デート後の連絡タイミングは「翌朝」が最も効果的だった――焦らし作戦は裏目に
初デート後の連絡タイミングは「翌朝」が最も効果的だった――焦らし作戦は裏目に / Credit:Canva

ドイツのロイファナ大学リューネブルク(Leuphana University of Lüneburg)で行われた研究によって初デート後の最初のメッセージは、直後でも2日後でもなく「翌朝」に届いたときに、相手の交際意欲が最も高くなることが明らかになりました。

早すぎても遅すぎても損をし、比べた3つのうち、あいだに挟まった一晩だけが、相手の「この人と付き合いたい」という気持ちを最も高く押し上げていたのです。

では、なぜ翌朝がそれほど強力なタイミングなのでしょうか?

研究内容の詳細は2025年9月10日に『Journal of Social and Personal Relationships』にて発表されました。

目次

  • 「すぐ送れ」と「焦らせ」、心理学は正反対の答えを出していた
  • 初デート後の連絡タイミングは「翌日」が最も効果的だった
  • 「がっついている」と思われても、恋は冷めなかった

「すぐ送れ」と「焦らせ」、心理学は正反対の答えを出していた

「すぐ遅れ」と「焦らせ」、心理学は正反対の答えを出していた
「すぐ遅れ」と「焦らせ」、心理学は正反対の答えを出していた / Credit:Canva

デートが終わって「じゃあ、また」と手を振り、ひとりになった帰り道にスマホを取り出して「今日はありがとう」と打ちかけたところで、ふと

「今すぐ送ったら、がっついていると思われないだろうか?」
「少し時間を空けたほうが、気を引けるかな?」
「かといって明日まで待ったら、そっけないと思われないだろうか?」

という気持ちが脳裏に浮かぶことがあるでしょう。

恋愛を経験した人はもちろん、恋愛未経験でもデート後のメッセージを送るタイミングについては一家言あるひともいるはずです。

論文によれば、英語で「初デートの後、いつメッセージを送るべきか」と検索すると、92億件もの結果が出てくるそうです。

さらに厄介なことに心理学の知見も、正反対の2つの方向を指しています。

1つは、手に入りにくいものほど欲しくなるという考え方(希少性の原理)です。

これに従えば、なかなか連絡してこない相手ほど価値が高く見え、焦らすほど効果があるはずです。

もう1つは、人は自分を好いてくれる人を好きになるという考え方(好意の返報性)です。

こちらに従えば、連絡が遅いほど「脈がない」と受け取られ、気持ちは冷めていくはずです。

そこで今回、ロイファナ大学の研究者たちは、この2つの考え方の中間に、ちょうどいい「間」があるのではないかと考え、調査することにしました。

初デート後の連絡タイミングは「翌日」が最も効果的だった

初デート後の連絡タイミングは「翌日」が最も効果的だった
初デート後の連絡タイミングは「翌日」が最も効果的だった / Credit:Canva

初デート後のメッセージはいつ送ればいいのか?

「すぐ送る」と「焦らし」の中間に、ベストなタイミングは存在するのか?

答えを得るため研究者たちは、アメリカとイギリスの100人に、デートの後いつ連絡が来たら「早すぎ」で、いつなら「遅すぎ」かを、まずは感想として尋ねる事前調査を行いました。

回答を平均すると、別れてから20分以内は「早すぎ」、40時間(2日弱)を過ぎると「遅すぎ」という答えでした。

予想通り、アウトとみられるタイミングが存在したことがわかります。

次に研究者たちはこの結果を参考に本番の実験を行うことにしました。

参加したのは、アメリカとイギリスの異性愛者の男女543人で、平均年齢は約40歳です。

参加者はまず、すてきなイタリアンレストランで初デートの夕食をとる場面を描いた文章を読み、その場にいる自分を思い描きます。

続いて3つのグループに分けられ、「別れたあと、相手はすぐにメッセージをくれた」「翌朝にメッセージをくれた」「2日後にメッセージをくれた」のいずれかを告げられました。

メッセージの中身は、あえて伏せられています。

文面の優しさや長さに左右されず、届いた時刻の効果だけを取り出すためです。

そのうえで参加者は、「この人と長く付き合ってもいい」と思うかどうかなど、相手と付き合いたい気持ちを9段階で答えました。

交際意欲の平均点は、翌朝に受け取ったグループが6.15点で最高で直後に受け取ったグループは5.80点、2日後は5.50点で、3グループの差はいずれも統計的に意味のあるものでした。

一方で「相性の良さ」を感じる度合いは、直後が6.41、翌朝が6.49とほぼ同じで、2日後だけが5.77まで下がりました。

「また話したい」という意欲も、直後の6.80と翌朝の6.86はほとんど変わらず、2日後は6.12に落ちています。

また交際意欲については、タイミングによる変化が男性より女性で大きく、女性のほうが敏感であることが示されました。

まず男性はどのタイミングでも交際意欲が高く平均6.23点で、メッセージがいつ届いても大きくは揺れませんでした。

これに対して女性の交際意欲は平均5.39とやや低く、さらに直後・翌朝・2日後のどの2つを比べても、はっきりした差が出たのです。

それでも男女ともに「翌朝が最も高く、2日後が最も低い」という順番は共通していました。

しかし、なぜ翌朝が最も効果的なのでしょうか?

「がっついている」と思われても、恋は冷めなかった

「がっついている」と思われても、恋は冷めなかった
「がっついている」と思われても、恋は冷めなかった / Credit:Canva

翌朝が最も効き、2日後が最も効かなかった理由はなんだったのか?

答えを得るため研究チームは参加者に、どんな「印象」を抱いたかも尋ねていました。

まず「メッセージを待つあいだ、相手のことをどれだけ強く考えそうか」は、3つのタイミングではっきりとは変わりませんでした。

「自分と相手のどちらが恋愛の相手として上か」という感覚(相対的な配偶価値、メイトバリュー)にいたっては、3条件でぴくりとも動きません。

タイミングを変えても、送り主の株が上がることはなかったのです。

しかし送り主が交際をどれだけ欲しがって見えるか(がっつき度)の得点は、直後なら9段階で6.02点、翌朝は5.05点、2日後には4.05点まで下がります。

焦らすほど、余裕のある人間に見えるというわけです。

ところが意外なことに、この点数は相手の交際意欲と結びついていませんでした。

さらに、がっついていると思われた送り主が、そのぶん嫌われることもありませんでした。

代わりに、2日も待たせると、はっきり削られてしまうものが2つありました。

1つは、「この人も自分を好いてくれている」という手応え(好意の返報性)で、直後に連絡が来たグループでは6.54点、翌朝で6.10点、2日後には4.86点まで落ちました。

もう1つは、「この人は頼りになりそうだ」という信頼で、直後と翌朝は5.5点前後で並びましたが、2日後だけが4.62点まで沈みました。

そしてこの2つは、がっつき度とは違って、相手の交際意欲をはっきり押し上げる力を持っていたのです。

このことから、初デート後のメッセージを2日も遅らせる「焦らし作戦」は、好意と信頼を犠牲にして「がっつかない」という印象を稼いでいるに過ぎないことが見えてきました。

以上の結果から、初デート後のメッセージは翌朝がベストであることがわかります。

しかし、直後はなぜ翌朝に負けたのでしょうか。

特に不思議なのは別れた直後に届いたメッセージは、「自分は好かれている」という手応えを3条件でもっとも強く残しているにもかかわらず、交際意欲では翌朝に負けている点です。

じつはこの翌朝の上乗せ分は、今回尋ねた印象のどれを使っても説明がつきませんでした。

ただ研究者たちは、メッセージが届くまでの短い間、受け取る側が「あの人は自分をどう思っているんだろう」と宙ぶらりんな気持ちで過ごし、それがドキドキを生んだのかもしれないと考察しています。

もっとも、今回の研究は文章で場面を想像してもらう形式であり、現実の初デートとは異なります。

メッセージの内容や、デートがどれほど盛り上がったかによっても、結果は変わる可能性があります。

それでも、543人分の採点が指した方向は一貫しており、連絡のタイミングが単なる時計の問題ではないことを示しました。

受け手はそこから、相手の好意や頼りがいまで読み取っていたのです。

元論文

How the timing of texting triggers romantic interest after the first date: A curvilinear U-shaped effect and its underlying mechanisms
https://doi.org/10.1177/02654075251377184

ライター

川勝康弘: ナゾロジー副編集長。 大学で研究生活を送ること10年と少し。 小説家としての活動履歴あり。 専門は生物学ですが、量子力学・社会学・医学・薬学なども担当します。 日々の記事作成は可能な限り、一次資料たる論文を元にするよう心がけています。 夢は最新科学をまとめて小学生用に本にすること。

編集者

ナゾロジー 編集部

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ