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海外で話題の「コルチゾールカクテル」とは?むくみ解消の効果と真相を専門家が解説

  • 2026.8.12

SNSやTikTokで「副腎を休ませる」「むくみやストレスが消える」と話題の『コルチゾールカクテル(アドレナルカクテル)』。
オレンジジュースやココナッツウォーターに塩やマグネシウムを加えたこのドリンク、実際に効果があるのか気になっている方も多いのではないでしょうか?
今回は、化粧品メーカー研究員であり特級コスメコンシェルジュの船木彩夏が、コルチゾールカクテルの成分的な実態や、ストレス・肌荒れとコルチゾールの関係、そしてSNS上の健康情報の正しい見極め方について、科学的な観点から分かりやすく解説します。


【この記事の要点】
・コルチゾールカクテルが、体内のコルチゾールを直接下げるという十分な科学的根拠は確認されていません
・水分や糖質、ビタミン、電解質を補給できますが、糖分・塩分・カリウムの摂りすぎには注意が必要です
・ストレスによる肌荒れや身体の不調は、自己判断せず基本の生活習慣やシンプルケアで対策を

海外で話題の「コルチゾールカクテル(副腎カクテル)」とは?基本レシピと噂の真相

コルチゾールカクテルは、「アドレナルカクテル」「副腎カクテル」とも呼ばれるノンアルコールドリンクです。
場合によっては、アルコールが使用されていないことが多いので、カクテルではなくモクテルとされていることもあります。
レシピは統一されていませんが、オレンジジュース、ココナッツウォーターなどをベースに、塩、レモン果汁、マグネシウム、酒石酸水素カリウムなどを加えるものが多く見られます。
ビタミンCやナトリウム、カリウムなどを補給し、「副腎をサポートする」「疲労やストレスを軽減する」「コルチゾールを整える」などと紹介されています。
WEBやSNSでは注目を集めるコルチゾールカクテル・・・。
本当に期待されるような効果があるのでしょうか?

コルチゾールと肌荒れの関係|ストレス時の適切なスキンケアとは

コルチゾールは、腎臓の上にある副腎から分泌されるホルモンです。
ストレスを受けたときに増えるため「ストレスホルモン」と呼ばれますが、血糖や血圧の調節、炎症の抑制、エネルギー代謝、睡眠と覚醒のリズムなどにも関わっており、私たちの体内でさまざまな役割を担っています[1]。
ストレスが続くと、肌の調子が悪くなる・・・と感じたことのある方は多いと思います。
実際に、心理的ストレスと肌のバリア機能低下との関連を示す研究もあり、ストレスによる肌荒れの過程に、コルチゾールなどのストレス関連ホルモンが関与する可能性はあります[2]。
肌荒れしてしまったら、何か効果のあるアイテムで何とかしたいと思われるかもしれません。
ですが残念ながら、化粧品やスキンケアだけで体内のコルチゾールを下げることは難しいといえます。
ストレスが原因で肌の不調を感じた時は、作用の強い角層ケアアイテムや新しいアイテムを次々加えるのではなく、使い慣れたアイテムで、洗顔と保湿のシンプルケアに戻すことも大切です。

「コルチゾール顔」の噂は本当?全身への影響と自己判断のリスク

コルチゾールが全身に与える影響として、SNSでは「コルチゾールが高いと顔に脂肪がつく」「コルチゾール顔になる」といった情報も見かけます。
確かに、コルチゾールが病的に高い状態が長く続く疾患により、顔が丸くなる、体幹部に脂肪がつく、手足が細くなる、あざができやすくなるなどの症状が現れることがあります。
ただし、一般的な顔のむくみや体重増加を、見た目だけで「コルチゾールが高いせい」と判断することはできません。
そしてコルチゾール値が下がればそれらが解消されるわけでもありません。
本当にコルチゾールが原因であるかどうかの診断には、血液・尿・唾液などを用いた検査が必要です。
「〇〇なのはコルチゾールが高いせい」などと自己判断し、ネットで見かけたセルフケアに走るようなことはやめましょう。

コルチゾールカクテルにストレス軽減・副腎回復の効果はある?

残念ながら、コルチゾールカクテルを飲んでも、体内のコルチゾールを減少させたり、分泌を抑制させたり、副腎を回復させるような働きを示す十分な根拠はありません[3]。
コルチゾールに働きかける『魔法のドリンク』とはいえないのです。
では、コルチゾールカクテルを飲むことになんの意味もないのか、と聞かれるとそうではありません。
飲み物ですから水分補給になり、オレンジジュースからは糖質やビタミンC、ココナッツウォーターからはカリウム、塩からはナトリウムを摂取できます。
たくさん汗をかいた後なら、水分と電解質を同時に補える点が役立つ場合もあるでしょう。
空腹や軽い脱水状態の人が飲めば、「少し元気になった」「頭がすっきりした」と感じる可能性もあります。
しかし、それは水分や糖質を補給した結果と考えられ、コルチゾールが劇的に下がった証拠とはなりません。
水分や栄養の補給源として特別に優れているわけではなく、コルチゾールカクテルでなければならないような場面はあまり考えられないでしょう。

ビタミンCやマグネシウムの効果=ドリンクの効果ではない理由

ビタミンCやマグネシウムとストレスの関係については、いくつかの研究があります。
例えば、高用量のビタミンCを用いた試験では、心理的ストレスを与えた際の血圧や主観的ストレス、唾液中コルチゾールの変化に一定の影響が認められました[4]。
ただし、研究で用いられた量や条件は、オレンジジュースを使った一般的なコルチゾールカクテルとは異なります。
マグネシウムについても、不安やストレスを感じやすい人に役立つ可能性が示されていますが、システマティックレビューでは、既存研究の質が低く、確かな結論を出すには質の高い試験が必要とされています[5]。
ある成分に研究結果があることと、その成分を含むドリンク全体に同じ効果があることは別問題です。
「ビタミンC入りだから」「マグネシウムが含まれているから」といって、「コルチゾールを下げる」「副腎に良い」と単純に結びつけることはできないのです。

コルチゾールカクテルを飲む際の注意点|糖質・塩分過多のリスク

健康的なイメージのある材料でも、摂取すればするほど体にいいとは言い切れません。
オレンジジュースなどの果汁やココナッツウォーターには糖質が含まれ、カロリーもあります。
液体なので摂取しやすい一方、食物繊維やたんぱく質は少なく、「健康ドリンクだから」と毎日追加していると、意外なエネルギー摂取につながる可能性があります。
また、塩を加えている場合は、塩分を控えている人にも向きません。
疾患によっては、糖質やカリウムの摂取量に制限がある方もいるでしょう。
自己判断で習慣化せず、体調面で気になることがある方は、かかりつけの医師や管理栄養士に相談しましょう。

「コルチゾール=悪」ではない!身体に必要な理由と分泌リズム

コルチゾールは、ストレスホルモンなどとも呼ばれ、あまりいいイメージを持っていないかもしれません。
ですが、コルチゾールも私たちが活動するために必要なホルモンです。
必要だから、私たちの体にはコルチゾールを分泌する機能が備わっているのです。
通常は朝に高く、夜に向かって低くなるリズムがあり、ストレスなどに応じて一時的に増えることも、体の正常な反応です。
コルチゾールの分泌が問題になるのは、病気などによって高すぎる、または低すぎる状態が続く場合です。
「ストレスホルモン=悪」と考え、健康な人が無理に排除しようとする必要はそもそもないのです。

「舌出し40秒」などSNSで広がる極端な健康法・情報に注意

ストレスホルモンといわれるコルチゾールを消去する方法は、実はコルチゾールカクテル以外にも散見されます。
最近は、「舌を40秒突き出すとコルチゾールが消える」といった健康法もSNSなどで話題になっており、目にしたことがある方もいるかもしれません。
しかし、この方法でコルチゾールが急速に低下することを示す科学的根拠は確認されていません。
また、前述したとおり、コルチゾールを減らすことが体にいいこととも限らないのです。
●●するだけで健康になる、痩せる、キレイになる・・・。
SNSではこのような情報が広がりがちですが、本当に効果はあるのか、根拠となるものはあるのか、しっかり考えるようにしたいですね。

まとめ:魔法の手段に頼らず、基本の生活習慣でストレスケアを

コルチゾールカクテルは、水分やビタミン、ミネラルを補える飲み物です。
味が好きで、糖分・塩分・カリウムなどに問題がなければ、楽しんで飲むこと自体を否定する必要はありません。
嗜好品として適量を摂取するのはいいでしょう。
しかし、副腎を回復させたり、コルチゾールを劇的に下げたり、顔や体の脂肪を落とすような魔法のドリンクではありません。
疲労やストレスが気になるときほど、ひとつの飲み物や簡単な健康法だけに頼らず、睡眠、食事、運動、休息など、基本的な生活習慣を見直すことが大切です。
つらい症状が続く場合は「コルチゾールのせい」と自己判断せず、医療機関に相談してください。

参考文献:
[1]Cleveland Clinic. Cortisol: what it is, function, symptoms and levels [Internet]. Cleveland (OH): Cleveland Clinic; 2025 Feb 17 [cited 2026 Aug 4]. Available from: https://my.clevelandclinic.org/health/articles/22187-cortisol
[2]Choe SJ, Kim D, Kim EJ, Ahn JS, Choi EJ, Son ED, et al. Psychological stress deteriorates skin barrier function by activating 11β-hydroxysteroid dehydrogenase 1 and the HPA axis. Sci Rep. 2018;8:6334. doi:10.1038/s41598-018-24653-z.
[3]Cleveland Clinic. Do cortisol cocktails work? [Internet]. Cleveland (OH): Cleveland Clinic; 2025 Sep 26 [cited 2026 Aug 4]. Available from: https://health.clevelandclinic.org/what-to-know-about-adrenal-cocktails
[4]Brody S, Preut R, Schommer K, Schürmeyer TH. A randomized controlled trial of high dose ascorbic acid for reduction of blood pressure, cortisol, and subjective responses to psychological stress. Psychopharmacology (Berl). 2002;159(3):319-324. doi:10.1007/s00213-001-0929-6.
[5]Boyle NB, Lawton C, Dye L. The effects of magnesium supplementation on subjective anxiety and stress: a systematic review. Nutrients. 2017;9(5):429. doi:10.3390/nu9050429.

[執筆者]


船木 彩夏
化粧品メーカー研究員

[出演情報]
2023.12.2 TBSラジオ:井上貴博 土曜日の「あ」

<資格>
・サプリメントアドバイザー
・健康管理士上級指導員
・健康管理能力検定1級
・日本化粧品検定 特級コスメコンシェルジュ

[監修]キレイ研究室編集部

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