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「これ、写真と違うだろ」メニューの写真と実物が違うと怒鳴る客。だが、店長が丁寧に収めた結果

  • 2026.8.12
「これ、写真と違うだろ」メニューの写真と実物が違うと怒鳴る客。だが、店長が丁寧に収めた結果

満席の土曜に響いた「詐欺」

土曜の夜、店内はほぼ満席だった。注文は次々と重なり、私は伝票を握りしめてホールを走り回っていた。学生の頃、飲食店でアルバイトをしていた時のことだ。人手はぎりぎりで、厨房からは絶えず呼び出しのベルが鳴っていた。

40代くらいの男性が一人で来店し、ステーキセットを頼んだ。

1500円の、うちの看板メニューだ。私は湯気の立つ皿を運び、いつも通り頭を下げた。

ところが数分後、その男性が私を呼び止めた。フォークを皿に置く音が、やけに大きく響いた。

「これ、写真と違うだろ」

メニューの写真と皿を見比べても、大きな差はないように見えた。それでも男性は声を低くして続けた。

「肉が小さい。詐欺じゃないのか?」

私は慌てて謝り、店長を呼びますと告げた。すると男性は片手を振って遮った。

「どうにかしろ、写真と違う」

責任者はいらない、お前が何とかしろ。

そう言って、男性は同じ言葉を繰り返した。私が謝るたびに声は少しずつ大きくなり、こちらに畳みかけてくる。

反論はできない。かといって、勝手に値引きする権限もない。10分近く、私はただ頭を下げ続けるしかなかった。

厨房からは私を呼ぶ声が飛んでくる。ほかのテーブルの料理も待たせたままだ。焦りと情けなさで、指先が冷たくなっていくのが分かった。

店長が来た瞬間の空気

周りの席の客も、気まずそうに視線を伏せている。楽しげだったはずの店内が、この一角だけ張り詰めていた。

私の背中には冷たい汗がにじみ、口の中はからからに乾いて、うまく言葉が出てこない。

そのとき、奥から店長が静かに歩いてきた。忙しさで手が離せなかったのだろう、少し遅れての登場だった。

「お待たせして申し訳ありません。よろしければ、同じ値段で別のメニューにお取り替えします」

穏やかで、少しも慌てていない口調だった。男性を責めるでもなく、私を叱るでもない。ただ淡々と、筋の通った提案を差し出しただけだった。

すると、あれほど食い下がっていた男性の勢いが、すっと消えた。

「……最初から、そうすればいいんだよ」

さっきまでの強い口調はどこへやら、男性は目を合わせないまま小さくそう言った。そして別の料理に変えると、そそくさと席を立って帰っていった。

店長は私の肩を軽く叩いた。

「一人でよく耐えたな。ああいう相手は、こっちが落ち着けば勝手に引くんだ」

理不尽に責められ続けた10分間が、たった一言で報われた気がした。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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