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「家まで届けてくれないの?」箱の潰れを理由に無理な対応を求める客。だが、店長が示した線引きとは

  • 2026.8.11

買ったばかりの商品を持って戻ってきた男性

十年ほど前、私がドラッグストアでレジのアルバイトをしていた頃のことです。

ある日の夕方、五十代くらいの男性が、少し前に購入した商品を持ってレジへ戻ってきました。

「さっきこれ買ったんだけど、箱が潰れてるんだよ。交換してくれる?」

見ると、商品の外箱の角が少しへこんでいました。

中身に問題があるかどうかは分かりませんでしたが、男性は未開封のまま持ってきていました。

私は謝罪して同じ商品の在庫を確認しました。

しかし、ちょうどその商品は売り切れており、店内には交換できる品が残っていませんでした。

「申し訳ございません。ただいま同じ商品の在庫がございませんので、ご返金でしたらすぐに対応できます」

そう説明すると、男性の表情が一変しました。

「返金じゃ困るんだよ。必要だから買ったんだから。同じものを用意してよ」

私は入荷予定を確認すると伝えましたが、男性は納得しません。

「他の店にあるなら取ってくればいいだろ。入ったら家まで届けてくれないの?」

声は少しずつ大きくなり、近くに並んでいたお客様もこちらを気にしている様子でした。

私にはどこまで対応してよいのか判断できず、責任者を呼ぶことにしました。

店長が示した「できること」と「できないこと」

事情を聞いた店長は、まず商品の状態を確認し、男性に頭を下げました。

「箱が潰れた状態でお渡ししてしまい、申し訳ございません」

すると男性は、すぐに言いました。

「だったら同じものを用意してよ。こっちはまた店まで来るのも面倒なんだから」

店長は落ち着いた声で、現在は店頭在庫がないことを説明しました。

そのうえで、返金するか、次回入荷後に店頭で交換することはできると案内しました。

男性はなおも、「家まで持ってきてくれれば済む話だろ」と食い下がります。

しかし店長は、そこで対応の線をはっきりさせました。

「申し訳ございませんが、当店では商品の個別配送は承っておりません。ご返金か、入荷後の店頭交換でしたら対応いたします」

男性はしばらく、「店側のミスなのに、なぜこちらが来なければならないのか」と不満を口にしていました。

店長はそのたびに謝罪しながらも、できないことまで約束することはありませんでした。

数分ほどやり取りが続いた末、男性は「じゃあ返金でいいよ」と言い、商品を返品しました。

最後まで不満そうな様子ではありましたが、それ以上要求を続けることなく店を出ていきました。

私はそれまで、相手が怒っていると、とにかく謝らなければと思っていました。

しかし店長の対応を見て、謝ることと、無理な要求まで受け入れることは別なのだと知りました。

できる対応を丁寧に示しながら、できないことにはきちんと線を引く。その姿勢が、接客では大切なのだと学んだ出来事です。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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