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「うちの子が1位だったはず」運動会の順位に納得しない母親。だが、役員の一言が立ち止まらせた瞬間

  • 2026.8.11

徒競走が終わった直後に

子どもが通う小学校の運動会での出来事です。

秋晴れの校庭には大勢の保護者が集まり、徒競走のゴール付近からは、競技が終わるたびに大きな拍手が起きていました。

私も自分の子どもの出番を待ちながら、少し離れた場所から競技を見ていました。

ある学年の徒競走が終わり、先生たちが子どもたちを着順ごとの列へ案内していたときです。

ひとりの母親が保護者席から立ち上がり、ゴール付近へ足早に向かっていきました。

「すみません。うちの子、先にゴールしていませんでしたか」

最初は確認を求めているだけのように聞こえました。

しかし、担当の先生が二着だったと説明すると、母親の声が次第に大きくなっていきました。

「でも、私には一番に見えました。もう一度確認してください」

先生は、ゴール付近にいた複数の係で着順を確認したことを、落ち着いた口調で説明していました。

それでも母親は納得できない様子で、記録用紙をのぞき込もうとしながら、何度も同じ主張を繰り返します。

周囲の保護者たちは、何事かと振り返っていました。

母親の少し後ろには、競技を終えたばかりの子どもが立っていました。

その子は二着の札を持ったまま、困ったように母親の背中を見つめています。

一緒に走った子どもたちも近くにいるため、注目が集まるほど、その子は居心地が悪そうにうつむいていきました。

「今、見てあげてください」

そこへ、競技の誘導を手伝っていたPTA役員の女性が近づいてきました。

役員の女性は母親の前へ立ちはだかるのではなく、少し横から静かに声をかけました。

「確認は先生方にお任せしましょう。今は、お子さんを見てあげてください」

母親はまだ何か言おうとしていました。

すると役員の女性は、少し離れた場所に立っている子どもへ視線を向けました。

「一生懸命走り終えたのに、どうしていいかわからない顔をしていますよ」

その言葉を聞いて、母親もようやく子どものほうを振り返りました。

子どもは母親と目が合うと、持っていた札を胸元へ引き寄せるようにして、さらに小さくうつむきました。

母親の表情から、さきほどまでの勢いが消えていきました。

先生がもう一度、複数の係で着順を確認していることを説明すると、母親はしばらく黙ったあと、小さな声で答えました。

「……わかりました」

そして先生に軽く頭を下げると、子どものそばへ歩いていきました。

何を話したのかまでは聞こえませんでしたが、母親は子どもの肩に手を置き、そのまま一緒に保護者席へ戻っていきました。

周囲に広がっていた緊張も、次の競技が始まるころには少しずつ薄れていました。

自分の子どもに良い結果を取ってほしいと思うのは、親として自然なことなのかもしれません。

けれど、順位へのこだわりが強くなりすぎると、頑張った本人の気持ちを置き去りにしてしまうこともあります。

「今は、お子さんを見てあげてください」

役員の女性の穏やかなひと言が、母親を立ち止まらせた瞬間でした。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています。

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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