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愛する夫を生き返らせたい――願いを叶えるため魔女修行に挑む3人の未亡人の喪失と再生を描いた、切なくも優しいファンタジー【書評】

  • 2026.8.5

【漫画】本編を読む

『メリー・ウィッチーズ・ライフ ~ベルルバジルの3人の未亡人~』(メノタ/主婦と生活社)は、最愛の夫を亡くした3人の未亡人が、夫をよみがえらせるために魔女修行に挑むファンタジーである。かわいらしい絵柄とは裏腹に、「喪失」と「再生」というテーマを描き出す作品だ。

主人公・ゾーイは、魔法使いの島を飛び出し、たどり着いたある村で運命の相手・クライブと結婚する。しかし幸せな新婚生活は長く続かず、夫となったクライブは事故によって命を落としてしまう。絶望したゾーイは彼の後を追うつもりだったが、彼女と同様に夫を亡くしたイライザとシィシカと出会う。やがて3人は、「夫を復活させたい」という共通の願いを胸に魔女修行を始めるが――。

物語の出発点が死別でありながら、決して悲しみだけに支配されていない不思議な空気が作品全体に流れている。夫を失った3人は深い喪失感を抱えつつも、互いに支え合い、ときには失敗しながら前へ進んでいく。彼女たちの友情や村の人との交流は温かく、なかなか思い通りに身につかない魔法のエピソードはほのぼのとしていて、読み手の心を優しく包み込んでくれるだろう。

一方で、作品は単なる癒やし系ファンタジーの枠にとどまらない。夫の復活という願いは本当に叶うのか。そもそも亡くなった人をよみがえらせることは幸せにつながるのか。物語が進むにつれてこの世界の謎や魔女の秘密が明らかになり、徐々にミステリー要素も加わっていく。そのギャップも本作ならではの大きな魅力だ。優しくて少し切ない物語が、どのような結末を迎えるのか、最後まで目が離せなくなる。

「喪失を抱えながら生きていく」ことは人として普遍的なものだ。現実世界で失った人は決して戻ってくることはない。それでも誰かと支え合いながら前を向かなければいけない。いや、前を向くことができる。この3人の未亡人の物語は、そんな希望を抱かせてくれるだろう。

文=馬風亭ゑりん

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