1. トップ
  2. ビジネス・マネー
  3. 「しばらく使う予定はない」定期預金に“500万円”入れた60代男性→金利引き上げ後、明細を確認すると…発覚した“事実”に絶句

「しばらく使う予定はない」定期預金に“500万円”入れた60代男性→金利引き上げ後、明細を確認すると…発覚した“事実”に絶句

  • 2026.8.25
undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは、マネーシップス代表 ファイナンシャルプランナー/IFAの石坂です。

「銀行の定期預金金利が上がった。それなら、すでに預けている自分のお金にも新しい金利が付くはず」

そう思っている方もいるのではないでしょうか。

ところが、固定金利型の定期預金では、銀行が金利を引き上げても、すでに預けている分まで自動的に新しい金利へ変わるわけではありません。今回は、金利改定前に老後資金500万円を5年定期へ預けた60代男性の事例から、金利上昇時に見落としやすい定期預金の仕組みを見ていきます。

「0.825%になったなら、自分の500万円も増える」期待して明細を開いた60代男性

今回の事例は、60代のSさん(仮名)です。

退職後のSさんは、普通預金に置いたままになっていたお金の一部について、どう管理するか考えていました。日々の生活費や急な出費に備えるお金は別に確保していたため、500万円については「しばらく使う予定はないだろう」と考えたそうです。

一方で、株式や投資信託のように値動きのある商品には少し抵抗がありました。

「大きく増えなくてもいい。使わないお金なら、少しでも利息が付けば十分」

そう考え、金利改定前に500万円を年0.700%の5年定期へ預けました。預けた後は、「5年間はこのまま置いておけばいい」と考え、定期預金のことをほとんど気にせず過ごしていたそうです。

そんなSさんが2026年8月に目にしたのが、「定期預金の金利引き上げ」というニュースでした。みずほ銀行では8月3日から、5年定期の金利を年0.700%から年0.825%へ引き上げています。

「0.825%まで上がったのか。それなら、預けている500万円の利息も増えるな」

Sさんは、自分の定期預金にも新しい金利が反映されると思ったそうです。500万円というまとまった金額です。わずかな金利差でも、5年間ならそれなりの違いになるように感じました。

「老後のお金だから、大きく増えなくても、利息が増えるならありがたい」

そう思い、久しぶりに預金明細を確認します。ところが、そこに表示されていた適用金利は「年0.700%」のままでした。

「ニュースでは0.825%になったはずなのに、どうして自分の金利は変わっていないのだろう」

最初は、新しい金利が反映されるまで時間がかかるのではないかと思ったそうです。しかし、定期預金の仕組みを確認すると、Sさんが考えていたものとは違いました。固定金利型の定期預金では、原則として預け入れたときに決まった金利が満期まで適用されます。つまり、Sさんが年0.700%で預けた500万円は、その後、新規の5年定期が年0.825%になったからといって、自動的に金利が引き上げられるわけではなかったのです。

「銀行の金利が上がれば、すでに預けている人も一緒に上がると思っていました」

FPから「新しい金利と、すでに預けている定期預金は別に考える必要があります」と説明を受け、そこで初めて思い込みに気付いたそうです。

500万円なら約2万5,000円の差 それでも新しい金利だけでは決められない

undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

では、年0.700%と年0.825%では、どのくらいの差になるのでしょうか。

比較しやすいよう、500万円を5年間、単利として単純計算すると、年0.700%の場合の税引前利息は17万5,000円です。年0.825%なら、税引前利息は20万6,250円となります。

預金利息にかかる税金を考慮した単純計算では、税引後はそれぞれ約13万9,000円と約16万4,000円で、その差はおよそ2万5,000円です。

ここまで読むと、「それなら今の定期を途中で解約して、新しい金利で預け直せないの?」と思うかもしれません。

みずほスーパー定期は原則として満期前の解約はできず、銀行がやむを得ないと認めた場合に満期前の解約が扱われます。その場合も、当初の年0.700%がそのまま適用されるとは限りません。所定の期日前解約利率で利息が計算されます。

たとえば5年定期を預入から6か月未満で解約する場合は、解約日の普通預金利率が適用されます。そのため、「新しい金利の方が高い」という理由だけで、簡単に乗り換えられるとは限らないのです。

金利が上がったときほど「新しい数字」だけを見ない

定期預金の金利が上がると、今回の事例のような年0.825%という新しい数字に目が向きがちです。

しかし、すでに定期預金を持っているなら、まず「現在の適用金利」「満期までの残り期間」「満期前に解約する場合の条件」を確認することが大切です。

また、自動継続型の場合、満期後はその時点の所定金利で継続されるのが基本です。今の年0.825%が、数年後の満期時にも続いているとは限りません。

金利が上がったからといって、すでに預けているお金まで自動的に有利になるわけではないのです。ニュースで金利引き上げを見かけたときこそ、「自分の定期預金には今、何%が適用されているのか」。まずは預金明細を確認するところから始めてみてください。


※みずほスーパー定期では、個人の場合、預入期間3年以上で半年複利型も選択できます。上記は金利差を分かりやすくするため単利で計算した参考例です。実際の受取利息は、単利・複利の別や預入日、端数処理などによって異なります。
※事例は制度を分かりやすく説明するため、個人が特定されないよう内容を一部調整しています。

の記事をもっとみる

注目コンテンツ