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桜井ユキさん「意味もなく笑うのをやめた」こじらせていた25歳から脱却できたのは…【スペシャルドラマ『しあわせは食べて寝て待て ~早春の養生編~』】

  • 2026.8.3
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等身大の役柄から迫力ある怪演まで、役に合わせた多彩な表現で魅了するクールビューティーな俳優・桜井ユキさん。昨年春に放送された連続ドラマ『しあわせは食べて寝て待て』が、8月18日にスペシャルドラマとしてカムバック。桜井さんが演じるのは、病気をきっかけに「私なんて」と及び腰になっている主人公・麦巻さとこ。そんなさとこの心情には、桜井さん自身が20代の頃に抱えていた葛藤とも重なる部分があったそうです。

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Profile

1987年2月10日生まれ、福岡県出身。24歳から俳優のキャリアをスタートさせ、『真犯人フラグ』、『ホスト相続しちゃいました』、連続テレビ小説『虎に翼』など話題ドラマに多数出演。10月スタートのドラマ『kiDnap GAME』への出演も決定している。

変化への恐れは、年齢とともに薄らいできた

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——さとこを演じるうえで、意識していた点はありますか。

連ドラ時代からも意識していたところですが、さとこの感情の中で私自身と重なる気持ちを探して、リアリティを持って演じることは大切にしていました。例えば、今回の作品でいえば、さとこは自分の病気を理由に、新しい1歩を踏み出せずにいますが、それは誰にでもあることだと思うんです。そうした迷いや怖さは、私にも思い当たる部分もあって。“変化への恐れ”というか。

——桜井さんにも、ひるんでしまう瞬間があるのですね?

もちろんあります! でも、年齢を重ねることによって、その境界線がゆるくなってきたなとも感じているんです。今はようやくその先にある変化そのものを楽しめるようになってきたのかもしれません。1つのアトラクションのように捉えながら、楽しんで進んでいけるようになったのだと思います。

——若い頃は、今よりもさらに臆病でした?

もっともっと怖がっていたと思いますよ(笑)。学生時代と今の私と比べてみると、価値観や性格がまったく違うんです。でも、きっとそうなれたのは、私が新しいことにチャレンジし続けた結果なのだとも感じていて。だからこそ、さとこを見ていると「分かるよ」と寄り添う気持ちと「頑張れ!」と応援する気持ちが入り混じったような感覚になるんです。

無理して笑うのをやめて見つけた、自分らしい力の抜き方

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——桜井さんが、もし20代の頃の自分に言葉をかけてあげられるとしたら、伝えたいことはありますか?

「もっと自分に自信を持って」ですかね(笑)。すごく難しいことではあるけど、自分に自信を持って、自分の好きなところも嫌いなところもすべて受け入れてあげることは大切だったな、と思います。というのも、私にはずっと、「〇〇みたいになりたい」と思っていた時期があったんです。理想の自分になろうとするけれど、そのスキルがない状態で…。

——すごく意外です! なんでもクールにこなされているイメージでした。

いやいや、そんなことないんです(笑)。特に25歳くらいのころは、仕事だけでなく、全部に自信を持てずにいて、こじらせていました。今思い返すと、その自信のなさが、すべてのネガティブを引き寄せていたような気がします。でも、私はどう頑張ったところで “誰か”にはなれないし、なろうとしたって結局は自分。だからこそ、やみくもに変わろうとするのではなく、まずは自分を受け入れないといけないと思ったんです。

——そのように考えられるようになったのには、きっかけがありましたか?

このお仕事を始めるとき、お芝居の稽古場にずっと通っていて。ある日、そのときの先生から「なぜ面白くもないのに、ヘラヘラ笑っているの?」と言われてしまったんです。「意味もないのに笑わないで。あなたがなぜ笑っているか考えてみて」、と。

——グサっときてしまいますね…。

本当に(笑)。その言葉を受けた瞬間、ぶわっと泣いてしまいました。でも、ショックだったけど、いろいろなことを考え直すきっかけになりました。きっと当時の私は、周りの目線を気にしすぎるあまり、「常に笑顔な自分でいよう」と力が入っていたんだと思います。お芝居をするうえで、そういう感情は必要ないですし、先生はそれを教えてくださったのでしょうね。それに、芝居だけではなく、私の内面にも思い当たるところがあった。このままの私だと、生きていくのが苦しくなることに気付かされたんです。

——自分の気持ちと正直に向き合うことの大切さを学ばれたのですね。

そうです。あの言葉のおかげで、本当に楽になりました。それからは、静かになったときに間を埋めようとたくさんしゃべることをやめてみたり、本当の自分の立ち振る舞い方をひとつひとつ試しながら探していったんです。その影響か、一時期は愛想がないように見られていたこともあったみたいですが…(笑)。何度も失敗を繰り返していくうちに、徐々に力の抜き方を学んでいったような気がしています。

ネガティブな経験もすべて線になる。必死に駆け抜けた30代

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——30代で過ごした時間は、桜井さんにとってどのようなものでしたか?

私はこの仕事を始めたのが24歳のころなので、スタートが遅いほうだったんです。だからこそ、30代には今の私のすべてが詰まっているといっても過言ではないくらい、濃い時間を過ごせたと思っています。とにかく必死でしたが、学ぶことが目の前にたくさんあったので、がむしゃらにもなれた。振り返ってみれば20代のころより楽しかったかもしれません。プライベートでいうと、結婚も経験しましたし、自分の中で巻き起こるいろいろな変化を感じていました。

——そうした変化は楽しめていましたか?

振り返れば、すごく楽しかったです。そのときは必死なので、全然楽しいとは思えていないんですけどね(笑)。でも、今となればそのひとつひとつの点と点がつながって、線になっていることが分かる。ネガティヴな経験も含めて、無駄なものなんて何もなかった。30代で培ってきたものに後悔はないし、自信を持って走り抜けられました。そう思うことができる自分でいられて、よかったです。

Information

特集ドラマ『しあわせは食べて寝て待て ~早春の養生編~』
8月18日にNHK総合にて、火曜22:00〜放送。一生付き合う病気と向き合う主人公・麦巻さとこ(桜井ユキ)を中心に、団地仲間の羽白司(宮沢氷魚)や美山鈴(加賀まりこ)、パート先の仲間との触れ合いや、薬膳ごはんと過ごす日常の物語。2025年に放送されたテレビドラマの第6話の“そのあと”の出来事を描く。

ジャケット¥419,100腰に巻いたシャツ¥172,700パンツ¥939,400シューズ¥155,100(すべてロエベ/ロエベ ジャパン クライアントサービス tel.03-6215-6116)

撮影/山村祐太郎 ヘアメーク/石川奈緒紀 スタイリング/道端亜未 取材/小林揚 編集/宮島彰子

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