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「写真なんて撮っていません。時間を見ていただけです」湯船でスマホを見てた客。だが、スタッフが正論をぶつけた結果

  • 2026.8.3

旅の最後に、もう一度だけ

一泊の家族旅行で宿を訪れた夜のことです。

翌朝には帰る予定だったため、寝る前にもう一度だけ温泉へ入っておこうと思い、私は女性用の大浴場へ向かいました。

遅い時間だったこともあり、浴場にいたのは数人ほど。湯船も空いていて、静かに過ごせそうでした。

体を洗って湯に浸かり、しばらくのんびりしていると、近くで小さな電子音が聞こえてきます。

音のするほうを見ると、湯船の端に座っていた女性が、透明な防水ケースに入れたスマートフォンを操作していました。

画面を眺めているだけなのか、写真を撮っているのかは分かりません。

ただ、カメラのついた端末が浴場内にあるというだけで、どうしても落ち着かない気持ちになりました。

ほかの利用客も気になっているようで、その女性のほうを何度も見ています。

「撮っていないから大丈夫」

しばらくすると、脱衣所から女性スタッフが入ってきました。

誰かが知らせたのか、スタッフはまっすぐその女性のもとへ向かい、周囲に配慮するような小さな声で伝えます。

「申し訳ございません。浴場内へのスマートフォンのお持ち込みはご遠慮いただいております」

すると女性は、端末を手にしたまま不満そうに答えました。

「写真なんて撮っていません。時間を見ていただけです」

スタッフは落ち着いた様子で、もう一度説明します。

「撮影されているかどうかにかかわらず、ほかのお客様が不安に感じられるため、浴場内ではご使用いただけない決まりとなっております」

それでも女性は納得できないようでした。

「誰にも向けていないのに、どうして駄目なんですか」

声が少し大きくなり、静かだった浴場に緊張した空気が広がりました。

スタッフが守った浴場の安心

スタッフは言い争うことなく、穏やかな口調のまま伝えました。

「恐れ入りますが、スマートフォンは脱衣所のロッカーへお戻しください。難しい場合は、いったん浴場の外へお願いいたします」

女性はしばらく黙っていましたが、周囲の視線に気づいたのか、やがて湯船から上がりました。

スマートフォンをタオルで包み、スタッフと一緒に脱衣所へ戻っていきます。

その後、女性が浴場へ戻ってくることはありませんでした。

女性が出ていくと、張りつめていた空気が少しずつやわらいでいきました。

実際に撮影していなかったとしても、浴場でスマートフォンを手にしている人がいれば、周囲は「写り込んでいないだろうか」と不安になります。

本人に悪気がなくても、場所によっては持ち込むだけでほかの人を落ち着かない気持ちにさせてしまうのだと思います。

スタッフが曖昧にせず、施設の決まりをきちんと伝えてくれたことで、私たちは再び安心して温泉を楽しむことができました。

旅の最後の夜、静けさを取り戻した湯船に浸かりながら、みんなが気持ちよく利用するための決まりには、きちんと理由があるのだと感じました。

※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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