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「うちは子ども連れなんだ。もう待てないんだよ」子どもを理由に優遇するよう求める客。だが、スタッフが毅然と対応した結果

  • 2026.8.3

二十人ほどの行列で

その日、家族で訪れた遊園地は、朝からたくさんの人でにぎわっていました。

私たちが並んだのは、園内でも一番人気だという乗り物の列です。

前を見ると、ゆうに二十人ほどが順番を待っていました。

のんびり待っていたそのとき、列の前方で、ひとりの男性がスタッフを呼び止めました。

小さな子どもを連れた、身なりのきちんとした父親です。

「どこ行っても並んでる、先に入れてくれよ!」

あとから思えば、その要求はまさにそういうものでした。

これだけの人が待っているのに、自分たちだけ先に通せと言うのですから、驚くほかありません。

私も後ろに並ぶ方も、朝から楽しみにして順番を守ってきたのです。

引き下がらない声

「うちは子ども連れなんだ。もう待てないんだよ」

スタッフが「順番にご案内しておりますので」と頭を下げても、男性は納得しません。

それどころか、声はますます大きくなっていきます。

近くにいた小さな子どもが、その剣幕に驚いて泣きだしそうになっていました。

「この子が疲れてるって言ってるんだ。少しは気をきかせたらどうなんだ」

周りの人たちは、みな黙って下を向いていました。反論すれば角が立つし、かといって割り込みを認めるのも釈然としない。

もやもやした空気が、二十人の列全体に重くのしかかっていたのです。

諭すような案内

そんな重たい空気のなか、対応していた女性スタッフは、あくまで落ち着いていました。

男性の勢いに飲まれることなく、まっすぐに目を見て語りかけます。

「並んでいらっしゃる皆さまも、お子さま連れの方がたくさんいらっしゃいます。順番を抜かすことはできませんが、お子さまが休める場所へご案内しますね」

ずるい要求はきっぱりと退け、それでいて子どもへの心配りは忘れない。

その受け答えに、男性はとうとう返す言葉をなくしたようでした。ばつが悪そうに子どもの手を引き、そそくさと列の後ろへ回っていきます。

その瞬間、待っていた人たちの表情が、目に見えてやわらぎました。

誰かが小さく息をつく音まで聞こえた気がします。理不尽な横やりに屈せず、筋を通してくれたスタッフのおかげで、みんなが胸のつかえを下ろせたのです。

順番どおりに進む列が、この日はとても心地よく感じられました。

※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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