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「レジの合計が違う、ちゃんと確かめてよ」レジで声を荒げた客。だが、店員が冷静な対応をした結果

  • 2026.8.4
「レジの合計が違う、ちゃんと確かめてよ」レジで声を荒げた客。だが、店員が冷静な対応をした結果

レジ前で上がった声

夕方のスーパーは、仕事帰りの客でどのレジも列ができていました。

私が並んだレジの先頭で、ひとつ前の客が急に声を張り上げたのです。

「レジの合計が違う、ちゃんと確かめてよ」

五十代くらいの男性でした。

財布を片手に、レシートをレジ台に叩きつけるようにして詰め寄っています。

「こんなに買ってない。計算が合わないだろう」

後ろの列がじわじわ伸びて、周りの客がざわつき始めました。

私も、また面倒な人だろうか、と身構えてしまいました。

早く終わってほしい。そんな空気が、レジの周りに満ちていきます。

一点ずつ、声に出して

ところが、若い女性店員は顔色ひとつ変えませんでした。

「すぐ一緒に確認させてください」

「本当に合ってるのか。二度も同じことされたら、たまらないよ」

「はい。おひとつずつ、ご一緒に見ていきますね」

店員は落ち着いた声のまま、打ち込んだ履歴を画面に表示させ、買われた品をひとつずつ声に出して読み上げていったのです。

「牛乳、ひとつ。卵、ひとつ。食パン……」

指を画面に沿わせながら、ゆっくりと確かめていきます。

列に並んだ私たちも、いつの間にかその声に耳を澄ませていました。

男性も、腕を組んだまま黙って画面を見つめています。

急かすでも、ごまかすでもなく、ただ一点ずつ突き合わせていくその手つきに、詰め寄っていた男性の口調も少しずつ静かになっていきました。

「こちらの品が、二回打ち込まれています」

店員の指が止まりました。同じ商品のバーコードが、重ねてスキャンされていたのです。

合計が合わなかったのは、そのぶんでした。

差し出された返金

店員はその場でレジを開け、多く受け取っていた分を数えて男性に返しました。

「大変失礼しました。こちら、返金いたします」

張り詰めていた男性の肩から、ふっと力が抜けたのが分かりました。

あれほど強く言い張っていたのに、返された硬貨を見つめる横顔は、すっかり毒気を抜かれたようでした。

声を荒らげていた顔が、決まり悪そうにゆるみます。

「声を荒げてすいません…」

そして店員は、頭を下げたあとに、こう続けたのです。

「気づいてくださって、ありがとうございます」

その一言で、レジの周りの空気がやわらかくほどけました。

ざわついていた列の誰もが、小さくうなずいています。男性は照れたように会釈して、袋を提げて帰っていきました。

自分の番が来た私は、なんだか少し誇らしい気持ちで、そのレジにかごを置いたのでした。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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