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落ち込んだ日も、友人がいれば笑える思い出に変わる。3人のマダムのルームシェア生活が温かい【書評】

  • 2026.8.1

【漫画】本編を読む

何をしても、うまくいかない日がある。仕事で疲れ、人に謝り、楽しみにしていたものまで台無しになる。そんな日は、ひとりで部屋にとじこもりたくなるものだが、もし、あなたのことを一番に考えてくれる友人がそばにいてくれるとしたら、どうだろうか。

『マダムたちのルームシェア』(seko koseko/KADOKAWA)は、それぞれの人生を歩んできたマダム3人が、同じ家で支え合いながら暮らすコミックエッセイ。栞、沙苗、晴子は、楽しい時だけでなく、落ち込んだ時にもすぐそばにいる。たとえ正しい励まし方が分からなくても、「何かをしてあげたい」という気持ちはまっすぐに伝わってくる。

たとえば、ある時、沙苗にとって散々な一日があった。仕事で疲れ、帰り道に買ったちょっと豪華なゼリーを3人で食べて元気を出そうとしていたところ、駅の階段で転びかけた人を助けようとして、その箱を落としてしまった。中身は当然ぐちゃぐちゃだ。

「今日はいろいろあって…ブルーなのよ」という沙苗を元気づけようと、栞は突然「じゃあしょうがない…踊るか」と言い出す。ストレス発散にはダンスがいいのだといい、子供番組の曲をノリノリで踊る栞の姿には、思わず吹き出してしまうだろう。一方の晴子は「ごめんね沙苗…栞と違って私踊れないの…」と言うが、「このくらいしか…」と控えめに踊るその姿は、沙苗をどうにか元気づけたいと思う気持ちが伝わってきて可愛い。沙苗は「ストレスを抱えている本人が踊らないと意味がないんじゃなくて?」と言いつつも、なんだかそんなふたりに元気づけられていく。楽しそうにしているふたりの心遣いが、この上なく嬉しいのだ。

落ち込んだ人を励ますのに、正解なんてないのだろう。おいしいものを用意する日もあれば、意味があるのか分からないダンスを踊る日もある。でも、相手のために何かしたいという気持ちは、ちゃんと相手に届く。マダムたちを見ていると、ツイてない一日さえ、友人と一緒なら笑える思い出に変わっていくのだと気づかされる。そんなマダムたちの日々が、じんわりと胸に沁みるエピソードだ。

文=アサトーミナミ

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