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「不用な食器を買い取ります」実家に訪れた買取業者→食器には目もくれず、男が放った“驚きの一言”に娘「異変に気づけなかった」

  • 2026.8.21
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。リユース業界で数多くの査定に携わってきた、たるみくまおです。

「母が、知らない買い取り業者に指輪を渡してしまったんです」

数年前、ブランド品や貴金属の査定員だった私に、知人の女性Aさんが相談を持ちかけてきました。

70代後半のお母さまが業者から強引に買い取りを迫られ、渡してしまったのは、身につけていた大切な指輪。受け取った金額は、5,000円ほどでした。

食器の買い取りを頼んだはずが

始まりは、知らない番号からかかってきた一本の電話でした。

「不用な食器を買い取ります。処分に困っているものはありませんか」

ちょうど整理したい食器があったお母さまは、業者の訪問を承諾しました。訪問を受けた日は、自宅でひとりだったそうです。

後日やってきた若い男性は、用意してあった食器を一度眺めると、すぐにこう尋ねました。

「食器以外に、指輪やネックレスはありませんか?」

「今日は、食器を見てもらう約束だったと思いますけど……」

お母さまが戸惑いながら答えても、男性は構わず続けます。

「貴金属なら高く買い取れますよ。一つくらいお持ちでしょう?」

「ありません。もう結構です」

そう断っても、男性は腰を上げませんでした。「見るだけですから」「何かあるはずですよ」といった言葉を繰り返し、貴金属を出すよう迫ったそうです。

ひとりで押し問答を続けるうちに、お母さまはすっかり疲れてしまいました。そして、「これを渡せば帰ってくれるだろう」と、身につけていた指輪を外してしまったのです。 男性は5,000円ほどの現金と契約書を置き、指輪を持って帰りました。お母さまは気が動転しており、渡された書面の内容を確認する余裕もなかったそうです。

その買い取り、クーリング・オフできる可能性があります

査定員として特に気になったのは、食器の買い取りを約束しながら、突然、指輪の売却を求めた点です。

自宅で品物を買い取る「訪問購入」は、特定商取引法の規制対象です。事前に承諾を得ていない品物の売買を勧めたり(不招請勧誘)、断られた後も勧誘を続けたりする行為は、特定商取引法で明確に禁止されている違法行為です。

訪問購入では、法律で定められた正しい書面を受け取った日から8日以内なら、無条件で契約を解除できる「クーリング・オフ」が認められています。さらに重要なのは、クーリング・オフ期間中は品物の引き渡しを拒否できる権利(引渡拒否権)があるという点です。たとえ契約を交わしてしまっても、その場で品物を渡す必要はありません。一度業者に持ち去られた品物を取り戻すのは容易ではないため、この権利を知っておくことが最大の防衛になります。

また、クーリング・オフの「8日間」は、法定の記載事項を満たした書面を正しく受け取った日からカウントされます。書面が交付されていない場合や記載内容に不備がある場合は、8日を過ぎていてもクーリング・オフが可能です。

Aさんがお母さまから事情を聞いた時点では8日以上が経過していましたが、当時は法律上の詳しい権利や書面の不備にまで気づけず、業者への連絡のみで断念してしまったため、最終的に指輪を取り戻すことはできませんでした。 お母さまは指輪を渡してしまった自分を責め、Aさんは「異変に気づけなかった」と悔やんでいました。

「その場では何も渡さない」と家族で約束を

押し買いから家族を守るために、覚えておきたいのは3つ。

・知らない業者を自宅に入れない
・頼んでいない品物は見せず、その場で渡さない
・売ってしまった場合は、契約書を確認してすぐに相談する

強引な相手を前に、ひとりで断り続けるのは簡単ではありません。品物を持ち去らせないためにも、離れて暮らす家族とは「その場では何も渡さず、まず家族に相談する」と決めておきましょう。

困ったときは、自分だけで判断せず、消費者ホットライン「188(いやや)」へ早めに相談してください。


※訪問購入のクーリング・オフには、適用されない品物や取引もあります。詳細は消費生活センターなどへご確認ください。

ライター:たるみくまお
リユース業界で買取窓口業務を経験し、ブランド品や高級時計など、数多くの査定に携わる。現在は技術商社に勤務する現役ビジネスマン兼Webライター。古物商許可証を保有し、現場で得た経験をもとに、二次流通市場やお金にまつわる情報を等身大の言葉で発信している。

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