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人生このままでいいのかと思った普通の会社員が、10年勤めた会社を辞めて世界36カ国を巡る旅へ! その果てに見つけたものは?【書評】

  • 2026.8.1

【漫画】本編を読む

『「人生このままでいいのかゾーン」に突入したので世界36カ国ひとり旅してみた』(ヨハヌン/KADOKAWA)は、将来への漠然とした不安を抱えた著者・ヨハヌン氏が、会社を辞め世界中を旅した体験を描いたコミックエッセイである。

ヨハヌン氏は、ごく普通の会社員として働いていた。10年間、残業の多い営業の仕事に携わってきたが、ふとした瞬間に「人生このままでいいのだろうか」という思いが頭をよぎるようになる。そんなヨハヌン氏が持った感覚「人生このままでいいのかゾーン」に突入したことから、その答えを探すように会社を辞め、旅に出ることを決意する。そして、東南アジアから始まった旅は、ヨーロッパ、中東、中南米など、世界36カ国にもおよぶのだ。

本作の魅力は、旅先の絶景や観光情報だけではなく、異なる文化や価値観を持つ人々との出会いを通じて、著者自身の考え方が少しずつ変化していく姿が描かれているところにある。例えば日本では当たり前だと思っていた働き方や人生設計も、国が変わればまったく違うなど、その積み重ねが「幸せとは何か」「自分はどう生きたいのか」という問いにつながっていくのだ。

そして決して贅沢な世界旅行を紹介しているものでもなく、いかに手間やお金をかけず、バックパックひとつでひとり旅を楽しむか、そのためのアイデアやテクニックが詰まっているのも興味を惹かれるだろう。言葉が通じないことへの不安や文化の違いによる戸惑い、予想外のトラブルなども率直に描かれている。それでも、一歩踏み出したからこそ見えた景色や出会えた人々があり、その経験が少しずつだが確実にヨハヌン氏を成長させていくのである。

旅を終えたとしても人生の悩みが完全に消えるわけではない。それでも、自分の世界を広げることで物事の見方が変わるという、当たり前だけど大切な事実を教えてくれる。旅行記でありながら、自分らしい生き方を模索するひとりの人間の成長物語としても楽しめる本作。仕事や将来に漠然とした不安を抱えている人、何かを変えたいけれど何をすればいいのかわからないと考えている人におすすめしたい作品だ。

文=おおぞら木馬

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