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夫の手術で“100万円”払った50代妻→「高額療養費があるから8万円台で収まる」はずが…26年8月の改正を知って“唖然としたワケ”

  • 2026.8.20
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関でマネージャーを務めながら、家計のご相談に日々向き合っている中川です。

今回ご紹介するのは、ご主人が2026年8月に入院された50代のAさんの体験談です。

「高額療養費があるから8万円台で収まる」と見込んでいたところ、実際の自己負担は9万2,940円でした。この夏、高額療養費制度の上限額が見直されています。何がどう変わったのかを、Aさんの経験からご紹介します。

「8万円台のはず」が9万円を超えた

ご主人(50代・会社員)が2026年8月に入院し、手術を受けました。

同じ月のうちに受けた保険診療で、医療費は総額100万円。3割なら30万円ですが、マイナ保険証を使ったため、保険診療分の窓口負担は高額療養費の上限までで済みました。

その額が、9万2,940円。

Aさんは首をかしげます。数年前にご自身が入院したとき、自己負担は8万円台に収まった記憶があったからです。しかし今回の金額は、その記憶よりも5,500円ほど高くなっていました。

「同じような入院なのに、どうして……」

なぜ以前より負担額が増えているのか、Aさんは唖然とするばかりでした。

2026年8月から上限額が変わった

高額療養費制度は、1ヶ月の自己負担が上限を超えた分を払い戻す仕組みです。上限額は所得によって区分が分かれています。

ご主人は健康保険の標準報酬月額が32万円。

年収およそ370万円から770万円の区分にあたります。この区分の上限額は、これまで「80,100円+(医療費-267,000円)×1%」でした。医療費100万円なら8万7,430円です。

それが2026年8月から「85,800円+(医療費-286,000円)×1%」に見直されました。同じ100万円で計算すると9万2,940円。Aさんが感じた5,500円ほどの差は、この改正によるものでした。

新しく設けられた「年間の上限」

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

負担が増える話だけではありません。同じ2026年8月から、新たに年単位の上限額が設けられました。

ご主人の区分では年53万円です。ここでいう1年は8月から翌年7月までを指します。治療が長引き、医療費の負担が続く方ほど、この年間上限による負担軽減を受けやすくなります。

直近12ヶ月に3回以上該当した場合、4回目からは上限が下がる「多数回該当」も、4万4,400円のまま据え置かれています。

Aさんの場合、入院は一度きりで済みました。けれど、もし治療が長引いていたら、年間上限があるかどうかで家計への負担は大きく変わります。これまでは月ごとの上限はあっても、年間の負担に上限はありませんでした。

今回の改正は、単発の入院では負担がやや増える一方、治療が長期にわたる場合には、年間上限によって負担に歯止めがかかる仕組みになったのです。

確かめておきたい二つのこと

まず確認しておきたいのが、ご自身とご家族の所得区分です。高額療養費の上限額は、健康保険の標準報酬月額などに応じて異なります。「自己負担は8万円くらいだった」という過去の記憶だけで資金を用意すると、足りなくなる可能性があります。

もうひとつは、領収書の保管です。年間上限は8月から翌年7月までをひとつの期間として計算します。暦年とは区切りが異なるため、領収書は対象期間が分かるように整理しておくと安心です。

また、高額療養費の対象になるのは保険診療分のみです。入院時の食事代や差額ベッド代などは対象外のため、「上限額だけ用意しておけば大丈夫」とは限りません。

所得区分は2027年8月にさらに細分化される予定です。数年前の記憶や古い記事の金額を頼りにせず、実際に入院や治療が決まった時点で、最新の上限額を確認しておきましょう。


執筆・監修:中川 佳人
金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。

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