1. トップ
  2. エピソード
  3. 「昨日レジに、並んでいたでしょう」挨拶を交わす程度のジムで知り合った知人。奇妙な言動に退会を決意

「昨日レジに、並んでいたでしょう」挨拶を交わす程度のジムで知り合った知人。奇妙な言動に退会を決意

  • 2026.8.4
「昨日レジに、並んでいたでしょう」挨拶を交わす程度のジムで知り合った知人。奇妙な言動に退会を決意

挨拶だけの相手

通っていたジムのロッカールームに、ときどき顔を合わせる女性がいました。

四十代くらいでしょうか。すれ違えば軽く会釈をする、ただそれだけの関係です。

名前も、どこに住んでいるのかも、仕事が何なのかも、私は何ひとつ知りませんでした。

ある日、着替えをしていると、その人が笑顔でこちらへ近づいてきました。

「昨日のお昼、駅前のカフェにいたでしょう。白いブラウス、似合ってたね」

言われて、背中がひやりとしました。たしかに前日の昼、私はそのカフェにいました。けれど、この人にその話をした覚えは、まるでないのです。

たまたま通りかかって、見かけただけなのだろう。そのときは、そう思うことにしました。

毎回、言い当てられる

けれど、その一度きりでは終わりませんでした。顔を合わせるたびに、教えてもいない私の行動を、あの人は笑顔で言い当ててくるのです。

「昨日レジに、並んでいたでしょう」

買い物先も、ジムを休んだ日も、そこにいた時間まで。どこから見ているのか、まるで見当がつきませんでした。

行き先を決めるのはいつも当日で、私は誰にも予定を話していないのです。

ある日などは、一日に三度も、別々の場所で私を見かけたと告げられました。朝の駅、昼のスーパー、そして夕方の通り。その三つとも、私が本当にいた場所でした。

答えの出ないまま

笑顔で話しかけてくるのが、いちばん怖いのだと気づきました。責める口ぶりでも、脅すような口ぶりでもありません。よかれと思って報告してくれている、そんな明るささえあるのです。

だからこそ、どう返せばいいのか、言葉が見つかりませんでした。

「よく会いますね」

やっとそれだけ返して、私はそのジムを退会しました。

理由は、受付にも誰にも言いませんでした。通う場所そのものを変えて、あの人と顔を合わせることは、それきりなくなったのです。

ただ、今になっても分からないのです。あの人が、どうやってあれほど細かく私の一日を知っていたのか。そして、なぜそこまでして私を見ていたのか。

思い出すたびに、背筋がすっと冷たくなります。その答えは、どこにもないままです。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ