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畳や障子、こたつに興味津々! ポーランド生まれのマダム猫が教えてくれる、古きよき日本文化と古民家暮らしの魅力【書評】

  • 2026.8.1

【漫画】本編を読む

『ポーランドからやってきた マダム猫の古民家暮らし』(かんさび/KADOKAWA)は、ポーランド生まれの猫の視点を借りながら、日本とポーランド、それぞれの文化や価値観の違いをユーモラスに伝えてくれる作品だ。

主人公は、著者のかんさび氏と夫のセバスチャン氏とともに日本へやってきた猫のマダム・リリー。築140年の古民家で暮らしながら、日本独特の習慣や風景に触れていく。日本らしい四季の移ろい、古民家ならではの不便さと面白さ。日本で暮らしている私たちにとっては当たり前の出来事も、異国からやってきたマダム・リリーの目を通すことで新鮮な驚きに変わっていく。

日本文化を外側から見つめる姿が面白い。例えば、マダム・リリーは畳敷きとはいえ床に寝転ぶ人間の姿に驚いたり、寒い冬にはホットカーペットやこたつのとりこになったりする。季節ごとの行事や文化、ご近所付き合いなど、日本人にとっては見慣れた光景が、マダム・リリーには不思議で興味深いものとして映るのだ。そして全く違う文化のなかで生まれ育った猫が、日本での暮らしに適応していく姿が実に愛らしい。

また本作は異文化紹介だけにとどまらない。古民家での暮らしには不便なことも多いが、そのなかには現代の生活で失われつつある、季節や自然を感じながら暮らすことの豊かさも描かれている。冬の日本家屋特有のすきま風や家鳴り、ポーランドでは経験したことがない地震などがマダム・リリーの感覚で描かれることで、あらためて日常や当たり前のことの尊さを感じさせられる。

もちろん猫漫画としても魅力たっぷりだ。本作で飼い主夫婦はマダム・リリーの召使いという立場で接しており、「召し上がる」などの丁寧な言葉遣いで愛猫の行動を説明しているのが面白く、気品あふれる麗しきマダム猫が木登りをするなど自由気ままに振る舞う姿とのギャップには思わず笑ってしまうだろう。猫との暮らしに憧れる人にはぜひ、本書をおすすめしたい。慌ただしい日常のなかで忘れがちな「小さな発見の喜び」を思い出させてくれるコミックエッセイである。

文=おおぞら木馬

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