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「順番に当番をしても、追いつかない」総会で撤去してくださいと訴えた女性。翌月の総会で見せた顔

  • 2026.8.3
「順番に当番をしても、追いつかない」総会で撤去してくださいと訴えた女性。翌月の総会で見せた顔

総会で立ち上がった人

町内会の総会は、公民館の畳の部屋で開かれます。その日の三つ目の議題が、ゴミ捨て場のことでした。

手を挙げたのは、その集積所の真向かいに住んでいる女性です。立ち上がってから、一度だけ息を吸いました。

「順番に当番をしても、追いつかない」

声が大きかったので、後ろのほうで小声で話していた人まで黙りました。

「こんな状態が続くなら、ごみ捨て場自体を撤去してください」

畳の部屋が静かになりました。それでも、大げさだと言う人はいませんでした。彼女がいちばん近くで毎朝片づけているのを、その場の全員が知っていたからです。

駅と逆の方向にある置き場

集積所には、決められた日でも時間でもないときに袋が置かれていきます。夕方に出された袋がひと晩そこにあれば、朝には口が開いていました。

置いていくのは、近くのマンションに住んでいる人たちでした。

ただ、意地悪でやっているわけではないという話が、その場で出ました。

「あそこ、専用の置き場は建物の裏側なんですよ」

役員の一人が地図を広げます。マンションの置き場は、駅とちょうど反対側にありました。

朝、駅へ向かって歩き出すと、通り道にあるのは町内会の集積所のほうなのです。

「わざわざ戻る人は、そりゃ少ないですね」

誰かがそう言って、部屋の空気が少しだけゆるみました。

それでも、時間外に出された袋の口が開いてしまえば、拾って回るのは真向かいの家の人です。

責める相手を探す場ではなくなったぶん、話は具体的なほうへ進んでいきました。

翌月の畳の部屋で

決まったのは、貼り紙を出すことと、当番のやり方を変えることでした。

収集日と出せる時間、それにマンションの置き場までの道順を、大きな字で書いて掲げます。管理会社にも一枚届けることになりました。

当番は一人ではなく、その週だけ二人で回すことにしました。朝の見回りを誰か一人に背負わせない、という意味でもありました。

翌月の総会で、同じ女性がまた手を挙げたとき、私は少し身構えました。

「今月、時間外に出ていたのは二回だけでした」

それだけ言って、彼女は座りました。前の月とは、顔つきがまるで違っています。

「貼り紙、破れたら私が直しますので」

「じゃあ紙、余分に刷っておきますね」

役員がそう返して、次の議題に移りました。撤去の話は、それきり出ていません。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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