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30年前のNHK朝ドラ双子ヒロイン「リセットして出直す」と活動休止も「再放送を」の声

  • 2026.8.28
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菊池麻衣子-1996年5月撮影(C)SANKEI

2024年9月、菊池麻衣子は芸能活動を一時休止すると発表した。17歳でデビューしてから50歳まで仕事を続けてきたこと、支えてくれた人たちへの感謝、そしてこの先は未定であることを自身のブログに記している。

そこで選んだ言葉が、「人生100年時代、リセットして出直す」だった。長く続けてきた仕事を大げさに総括するのではなく、一度立ち止まることを自分の言葉で決める。休止を別れにせず、自分の人生を組み直すための選択として伝えた。

『ふたりっ子』で知られた大人の麗子

菊池麻衣子の名を広く知らしめた作品といえば、1996年10月から放送されたNHK連続テレビ小説『ふたりっ子』だ。大阪の下町に生まれた双子、野田麗子と香子の人生を描き、大人になった麗子を菊池、香子を岩崎ひろみが演じた。

麗子と香子は、双子でありながら性格も生き方も対照的だった。菊池は、子ども時代を過ぎた麗子が、一人の女性として自分の人生を歩き始める部分を担った。双子をひと組の存在として眺めるのではなく、麗子と香子という別々の女性として見る。その物語の転換点に、菊池の麗子がいた。

朝ドラのヒロインは、放送が終われば一つの出演歴になる。しかし、毎朝顔を合わせた役は、視聴者の記憶の中で俳優本人と長く結びつく。

約30年後のいまも菊池の名前から『ふたりっ子』が思い出される。麗子は若手時代の代表作というだけでなく、菊池麻衣子という俳優を知る入口になったのだ。

ヒロインの後に演じた「そばにいる大人」

『ふたりっ子』の後も、菊池は俳優として仕事を重ねた。2003年のフジテレビ系ドラマ『ウォーターボーイズ』では、数学と進路指導を担当する高校教師を演じている。青春の真ん中にいる高校生たちを、教える側から見守る役だった。

2024年のテレビ東京系ドラマ『ハコビヤ』では、帰ってこない母親を捜す少年の叔母・昌子を演じた。高校教師と少年の叔母。作品も年代も違うが、どちらも若い登場人物のすぐそばで、その行く先を気にかける大人である。

『ふたりっ子』では、自分の人生を探す若い麗子だった。それから年を重ね、今度は誰かの成長や事情を受け止める側に立つ。二つの作品を並べると、役柄の変化がそのまま俳優として過ごした時間を伝えてくる。

出演作を年代順に数えるよりも、菊池が画面の中でどんな大人になっていったのかを見るほうが、30年近い歩みはよくわかる。ヒロインとして知られた後も、物語を支える役を一つずつ自分の仕事にしてきた。

出演が続いた2024年の区切り

『ハコビヤ』への出演と活動休止の発表は、どちらも2024年の出来事である。仕事が遠い過去になってから振り返ったのではない。同じ年にも新しい役を演じ、そのうえで9月末を区切りとした。

発表では、所属事務所を契約満了で退社することも伝えた。ブログもその投稿を最後にすると案内している。続けることだけでなく、自分で止まる時期を決めることも、長い仕事人生の一部なのだと思う。

「リセットして出直す」という言葉には、それまでの歩みを否定する響きがない。積み上げたものを誇張せず、次を約束しすぎず、区切りだけを自分でつける。菊池の発表から伝わるのは、33年を振り返る重々しさよりも、自分の時間を自分へ戻そうとする意志である。

休止中にも残る麗子

SNSでは、「30周年で再放送を」との声もあがり、もう一度見たい作品として『ふたりっ子』はいまも朝ドラを語るときの基準の一つになっている。

菊池麻衣子は活動を休止したが、それでも麗子まで視聴者の記憶からいなくなったわけではない。本人が立ち止まっている時間にも、かつて演じた役は誰かに思い出され、また見たいと望まれる。俳優の仕事は、出演が終わった日で終わらない。菊池が休んでいるいまも、麗子の時間は視聴者の側で続いている。


※記事は執筆時点の情報です

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