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「鳴き声にいちいち文句を言うな」早朝から響く鳴き声。我慢出来ず相談した結果

  • 2026.7.31

睡眠を奪われ続けた日々

五十代も半ばになると、一度崩れた睡眠のリズムはなかなか元に戻らない。

そんな僕の眠りを毎朝容赦なく断ち切っていたのは、近所の犬の鳴き声だった。

判で押したように朝5時、外がまだ薄暗いうちから鳴き始める。

目を固く閉じても、その声が頭に突き刺さって、二度寝などとてもできはしなかった。

夜も同じだった。10時を回っても鳴き声は止まず、心の休まる時間がまるでない。

ただ、それでも犬を責める気にはなれなかった。

長い時間ひとりで放っておかれ、寂しさや退屈のあまり鳴いているだけなのだ。

本当の問題は、その世話を怠り続けている飼い主のほうにあった。

寝不足は、五十代の身体に容赦なくのしかかった。

日中は頭が重く、仕事の能率も目に見えて落ちていく。

しっかり眠れた朝がいつだったか、もう思い出せないほどだった。

それでも犬の声は、僕の都合などお構いなしに毎朝響き渡った。

まずは穏便に済ませようと、飼い主の家のポストへ手紙を入れて事情を伝えた。

それでも鳴き声は一向にやむ気配がない。

とうとうたまりかねて直接声をかけた僕に、飼い主は面倒くさそうにこう言い放った。

「鳴き声にいちいち文句を言うな」

匿名で相談を持ち込んだ日

その一言で、当人同士の話し合いはもう無理だと悟った。

これ以上感情をぶつけ合ったところで、事態はこじれていくだけだ。

そこで僕は、区の相談窓口の扉を叩くことにした。

正直、役所は事なかれ主義だと決めつけ、半ば期待もしていなかった。

担当者はまず、鳴き声の時間帯や頻度を細かく確認してくれた。

感情的な訴えではなく、事実を淡々と積み上げていく。

そのていねいな手つきに、僕は少しずつこの窓口を信頼し始めていた。

だが窓口の対応は、僕の予想を大きく裏切るものだった。

担当者は僕の話を親身に受け止め、名前は一切出さなくていいと約束してくれた。

近隣トラブルで角が立たないよう、あくまで匿名のまま飼い主へ働きかけてくれるという。

それから数日後、変化は静かに、しかし確かに訪れた。あれほど僕を悩ませ続けた早朝の鳴き声が、ある朝を境にぴたりとやんだのだ。

頼りにならないと思い込んでいた行政の窓口が、こじれかけた問題をすっと解きほぐしてくれた。ようやく取り戻した静かな朝の中で、僕は久しぶりに深く、深く眠ることができたのだった。

※tendが独自に実施したアンケートで集めた、50代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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