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「弁当が昨日より高い、店長を呼べよ」20分どなり続けた客。翌週、レジで漏らした思わぬ本音

  • 2026.8.2
「弁当が昨日より高い、店長を呼べよ」20分どなり続けた客。翌週、レジで漏らした思わぬ本音

レシートを見た瞬間

十年ほど前、住宅街のコンビニで夕方のシフトに入っていました。

学校帰りの子どもと仕事帰りの人が入れ替わる、レジがいちばん混む時間帯です。

並んでいたのは五人ほど。先頭の男性が、弁当をひとつレジ台に置きました。

「温めますか」

「いい、そのままで」

会計を済ませてレシートを渡すと、男性の手がぴたりと止まりました。

「弁当が昨日より高い、店長を呼べよ」

「申し訳ありません。お値段は本部で決まっておりまして、レジに出た金額でご案内しています」

「そんな言い訳は聞きたくない」

「棚の値札も、ご一緒にお確かめいただけます」

「昨日はもっと安かったって言ってんだよ」

棚の値札を確かめてもらおうにも、男性はレジ台の前から一歩も動きません。

その間もかごを提げた人が、次々と後ろに並んでいきます。

終わらない押し問答

同じやり取りが、少しずつ形を変えて何度も繰り返されます。

後ろの列はレジの前で折れ曲がり、私の声はどんどん小さくなっていきました。

途中で店長が出てきて、私と代わってくれました。

「価格の変更は、店では決められないんです」

「いいから昨日の値段で売れよ」

「それはできません。申し訳ありません」

壁の時計を見ると、最初の一言から20分が過ぎていました。

「もう来ないからな」

男性は袋を掴んで出ていきます。自動ドアが閉じたあと、列の最後尾にいた常連の女性が小さく息をつきました。

「大変だったね」

その日はしばらく、指先の震えが止まりませんでした。

翌週のレジで

翌週の同じ時間、自動ドアが開いて、あの男性が入ってきました。手には、先週とまったく同じ弁当が握られています。

レジに立った私を見て、視線がすっと下がりました。

「……温めますか」

「いい」

お釣りを渡そうとした男性の手が、途中で止まります。

何か言いかけて飲み込み、それから急に早口になりました。

「先週は、悪かった」

「はい」

「値段ばっかり見てて、余裕がなかった」

「そうでしたか」

それ以上は言わず、男性は袋を持って出ていきました。レジの奥から、店長がこちらを見ています。

「聞こえてたよ」

それから男性は、週に一度は顔を出します。弁当をレジ台に置くとき、必ず先にこう言うようになりました。

「これ、温めてもらえますか」

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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