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「奇遇だね。今日はどこ行ってたの?」偶然を装って近づいてくる知人。だが、相談した両親が救ってくれた瞬間

  • 2026.7.30

家族に話したあとで

ひとりで抱えていたことを家族に打ち明けてから、家の空気が少しだけ変わりました。

行く先々に先回りして現れる知人のこと。

会うたびに腕へ手を添えてくる、その距離の近さのこと。

話を聞いた両親は、私を責めることも、必要以上に騒ぐこともしませんでした。

「次に会うことがあったら、私たちも一緒にいるから」

母がそう言って、父も黙ってうなずきます。

ずっと身構えていた肩の力が、ほんの少しだけ抜けていきました。

それまでの私は、知人に何を聞かれても曖昧に笑ってやり過ごし、嫌だという気持ちをひとりで飲み込むばかりでした。

家族に打ち明けるまで、これほど気持ちが軽くなるとは思ってもみませんでした。

駅前で、また

その週末、家族で出かけた帰りのことです。

駅前の広場に差しかかると、あの知人が先回りするように立っていました。

「奇遇だね。今日はどこ行ってたの?」

いつもの調子で近づいてきて、私の腕に手を伸ばそうとします。

けれど、その日は隣に父がいました。

以前の私なら、また作り笑いを浮かべて受け流していたはずです。

けれど今日は、少し離れたところから母も見守ってくれています。

私は一度だけ息を吸って、まっすぐ相手を見ます。

「ついて来るのは、もうやめてほしい」

やっと口にできた一言でした。声は小さかったけれど、震えてはいませんでした。

守ってもらえた安心

相手は一瞬、きょとんとした顔をしました。

「え、私、そんなつもりじゃ……」

言いかけたところで、父が静かに前へ出ると、口をつぐみます。母も、私のそばにそっと寄り添ってくれました。

「娘が困っているんです。これからは、少し距離を置いてもらえますか」

父の声は穏やかでしたが、言葉ははっきりしていました。

知人は小さく会釈をして、そのまま人混みのほうへ歩いていきます。それきり、行く先々で顔を合わせることはなくなりました。

あれほど毎日のように顔を合わせていたのに、不思議なくらい、ぱたりと会わなくなりました。

ひとりでは越えられなかった一線を、家族と一緒だから越えられたのです。

「よく言えたね。もう大丈夫」

母が私の背中に手を置きました。三人で並んで歩く帰り道は、来たときよりも少しだけ明るく見えました。

※tendが独自に実施したアンケートで集めた、20代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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