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「電気代がもったいなくて」で切ったスイッチ、1日数円〜20円の節約が招きかねない“誤算”

  • 2026.8.13
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出典:PhotoAC ※画像はイメージです

こんにちは、元注文住宅営業マンのホリカワです。

冷房のために窓を閉め切る8月。押入れを開けた瞬間の、湿気がこもったにおい。部屋の空気も、どこか重い気がする――そんな経験はないですか。

そんなとき、除湿機や冷房のパワーを上げる前に、ひとつだけ確認してほしい場所があります。「24時間換気」のスイッチです。

じつは、これを日常的に切っているお宅を、私は何度も見てきました。

止めてよい設備と、そうでない設備。今回は、その線引きの話をします。

「電気代がもったいなくて」定期点検で見つけた、切れたスイッチ

新築のお引き渡しでは、24時間換気について「切らないでくださいね」と必ずお伝えしていました。それでも、切ってしまう方はいます。

Fさま(40代・女性)のお宅へ定期点検でうかがったときのこと。壁のスイッチが「切」になっていました。いつから切っているのかお聞きすると、

「冬に寒い気がするから切って、そのままです」「電気代も、もったいなくて」

自然な感覚だと思います。ただ、24時間換気は使うときに入れる家電ではなく、住む人の健康のために、回り続ける前提で組み込まれた設備です。

家の換気は、入口と出口がつながった一本道

2003年施行の改正建築基準法により、シックハウス(室内の空気の汚れによる体調不良の総称)対策が導入されました。

現在、居室のある建築物には原則として「機械換気設備の設置」が義務づけられています(2003年7月1日以降に着工した建物が対象で、それ以前の住宅には設備がないこともあり)。

求められる量は、住宅の居室では「換気回数 0.5回/h」以上。1時間あたりに部屋の空気の半分が入れ替わる量で、常時の運転を見込んだ数字です。

家の換気は、給気口から入り、居室を通って排気ファンへ抜ける「一方通行の道」が基本です。給気口にファンがない方式では、入ってくる外気の量を決めているのはおもに排気ファンです。そのため、出口(排気)を止めると設計どおりの流れは期待しにくくなります

思い出してほしいのが、私たちの肺です。呼吸には、切りっぱなしにするスイッチがありません。意識しなくても続くようにできています。

24時間換気も、これと近い設計思想です。湿気や汚れた空気が一か所にとどまるのを和らげる仕組みです。滞留が続けば、住む人の体調だけでなく、家の状態も気にかかります。

スイッチを入れ直すとき、あわせて確かめたいこと

湿気がこもると感じている方は、まずスイッチを探してみてください。「24時間換気」「常時換気」と表示されていることが多いです。

浴室の乾燥機や、常時換気の機能があるレンジフードが役目を担っていることもあります。「切」なら、入れ直してください。

音が気になって切っていたなら

音が気になって切っていたのなら、フィルターやファンにホコリがたまっているのかもしれません。

取扱説明書(メーカーのサイトで公開されているケースもあり)に従い、電源かブレーカーを切ってから、お手入れしてみてください。

それでも変わらないなら、ご自身で分解せず、施工会社や機器のメーカー、賃貸なら管理会社へ相談を。

電気代が不安で切っていたなら

電気代が不安なら、まず金額を確かめるところから始めてみてください。

メーカーが自社のモデルプランで公開している試算では、換気方式や機種によって月々100円台から600円ほどまで幅があります。つまり、1日あたりに換算すると、数円から20円ほどの計算です。

試算なので実額は変わる可能性がありますが、電気代が大きく上がると感じていた方は、思っていた額とは違うかもしれません。

止めてよいのは、お手入れと点検のとき

一方で止めてよい場面もあります。お手入れや点検のときのほか、台風などの強風で雨水が吹き込む恐れがある時や、外の煙や異臭が入ってくる時などは、機種によって一時停止が案内されています。

条件は機種ごとに違うので、手元の取扱説明書で確認を。いずれも一時停止であって、切りっぱなしにしていいわけではない点に注意してください。

節約の努力は、効く場所へ

電気代を節約しようとする姿勢そのものは、まっとうです。ただ、切ってよい設備と、回り続ける前提でつくられた設備は分けて考える必要があります。

取り違えると、節約できた金額よりも、健康や住まいの状態のほうで損をしかねません

この記事を閉じたら、24時間換気のスイッチを見にいってみてください。「切」になっていたら、まず入れ直しましょう。家の呼吸は、そこから動きはじめるはずです。

参考:
建築基準法に基づくシックハウス対策について(国土交通省)
新築・改築時の対策(大阪府)
24時間換気とは何ですか。(Panasonic)

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ライター:ホリカワ ダット
注文住宅の建築会社に営業職として従事したあと、SEOライターとして独立。500組以上の家づくり相談に携わった経験をもとに、「マイホーム取得を少しでもラクに」をテーマに、住宅ジャンルの記事を幅広く執筆中。インテリアコーディネーター/1級カラーコーディネーター(商品色彩)資格保有。


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