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「一つひとつは聞いていたけど…」30代共働き夫婦、オプション会で受け取った見積書に絶句した金額

  • 2026.9.6
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。大手不動産会社に入社以降10年以上の現場経験があり、宅地建物取引士の資格を持つライターのT.Sです。モデルルームを訪れた際、華やかな空間や最新の設備に目を奪われた経験がある方は多いのではないでしょうか。

洗練された内装や照明を見ると、新生活のイメージも膨らみます。今回は、モデルルームで見た設備を契約後に見積もったところ、想定を超える金額になってしまった事例を紹介します。

見学で聞いた「オプション」、見積もりは合計150万円

Hさん夫婦(30代・共働き)は、郊外の新築マンションを契約します。駅までの距離と価格で候補を絞り、モデルルームで見た部屋の印象も購入の後押しになりました。

見学した部屋には食器棚や食洗機のほか、天井のダウンライトや壁面のタイル調の内装が入っています。設備の一部には「オプション」の札が付き、営業担当からも「こちらはオプションになります」と品目ごとに説明を受けます。

夫婦は、気に入った設備をいくつか付けるつもりで資金を残していました。仕様を決めるのは契約後のオプション会という案内だったため、見学の日は品目と価格を聞くだけにとどめます。

契約から数か月後、夫婦はそのオプション会に参加しました。希望する設備をひと通り並べて見積もってもらうと、合計は約150万円です。

「一つひとつは聞いていたけど、全部でこの金額になるとはね」

見積書を受け取った妻は、隣に座る夫にそう言いました。

契約後に出てくる合計額と、見学の場で分かること

モデルルームの展示は、広告表示のルールにおける「表示」にあたります。実際より優良であると誤認させる表示は禁じられており、標準の仕様と追加の設備は、札や口頭の説明で区別して示されます。

もっとも、示されるのは1点ずつの価格です。合計を知るには、気になった設備をまとめて見積もってもらう必要があります。Hさん夫婦が見学の日に尋ねたのは、1点ごとの価格まででした。

残していた資金では収まらないため、夫婦は優先順位を整理します。食器棚と照明の2点に絞って約40万円で発注し、壁面のタイル調の内装は見送りました。

入居から1年、内装を見送ったことに未練はありません。モデルルームは見せるために設備も家具も詰め込んだ部屋で、暮らしてみると掃除の手間や物の置き場のほうが気になります。

今の仕様でちょうど良かったというのが、夫婦の実感です。ただし玄関まわりの照明を増やさなかったことだけは、今も惜しく感じています。壁の中の配線を伴う工事は、入居後に頼むと費用も手間も大きくなるためです。

標準仕様の範囲を確かめ、概算を積み上げておく

モデルルームを見学するときは「標準仕様の状態はどれか」を営業担当に確認し、標準仕様書や仕様一覧表を見せてもらいましょう。図面やパンフレットだけでは、物件価格に含まれる設備と追加の工事の境目が分かりにくいためです。

そのうえで、この部屋に入っているオプションを全部付けるといくらになるのか、営業担当に概算を尋ねてみてください。オプションの販売を別の会社が担当する物件もあるため、正式な金額はオプション会で出ますが、目安であれば見学の日にも聞けます。

追加したい設備は、入居後でも取り付けられるものと、建築の段階で施工したほうがよい工事に分けて整理しましょう。Hさん夫婦が惜しんだ配線を伴う照明の工事は、後者にあたります。

概算が分かれば、物件価格とは別に用意しておく金額を決めたうえで、オプション会に臨めます。

参考:不動産の表示に関する公正競争規約・同施行規則(首都圏不動産公正取引協議会)



ライター:T.S(宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランニング技能士)
大学卒業後、大手不動産会社に入社。10年以上にわたり、都心のタワーマンションから郊外の築古戸建てまで、数多くの現場経験を積む。現在は不動産ライターとして「業界の不都合な真実」や、消費者が陥りやすいマネーの罠について、実体験に基づく記事を執筆している。


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