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「あ、飲んじゃった。ごめんね」家に押しかけて図々しい態度をとる姉夫婦。だが、僕の代わりに妻が言い返した瞬間

  • 2026.7.31

玄関に並んだ二足の靴

土曜の仕事を終えて帰ると、玄関に見慣れた靴が二足並んでいました。

妻の姉夫婦のものです。この日で、三週続けてでした。

「おかえりー。今日も遅かったね」

リビングのソファに義兄が寝そべって、片手にリモコンを持っています。台所からは妻と義姉の笑い声が聞こえました。

ふたりが来るようになったのは去年の春からです。

姉妹の仲がよく、最初は月に一度でした。それが隔週になり、いつのまにか毎週末になっていました。

「ただいま。…来てたんだ」

「昼過ぎからね。気にしないで、いつも通りにしてていいから」

いつも通りにしていいのは、こちらのはずでした。

空になったドアポケット

着替えて台所に立ち、冷蔵庫を開けました。

ドアポケットが空です。朝に補充した麦茶も炭酸水も、一本残らず消えていました。

「あ、飲んじゃった。ごめんね」

義姉が笑って言い、義兄はテレビを見たまま続けます。

「冷蔵庫のビール、買ってきてほしかった」

扉に手をかけたまま、動けなくなりました。妻が台所からこちらを見て、困ったように笑います。

何か言ってほしいと思いましたが、姉妹の仲を壊したくないのは私も同じでした。

「……そうですか」

それだけ返して、水道の水をコップに注ぎました。

妻が置いた布巾

夕方になって、義兄がまた冷蔵庫を開けました。

「あれ、もう何もないの。買い置きしとかないと」

妻が布巾を調理台に置きました。

「お義兄さん。この人、今日も朝から仕事だったの」

「うん、知ってるよ」

「帰ってきて最初に言われたのが、買ってきてほしかった、なんだよね」

リモコンを持つ手が止まりました。

義兄が何か言いかけて、そのまま口を閉じます。義姉が使ったコップを集めて、流しへ運び始めました。

「……うち、来すぎてたね。来週から先に連絡する」

義兄は起き上がってテレビを消し、こちらを見ないまま靴を履きました。

「悪かった。自分の家みたいにしてた」

玄関の戸が閉まってから、妻がため息をつきました。私も三か月ぶんくらい息を吐きました。

翌週の土曜は、昼前にスマートフォンが鳴りました。少しだけ寄ってもいいか、という短い連絡です。夕方に来たふたりは、袋いっぱいの飲み物を提げていました。

「冷蔵庫、開けてもいい?」

義兄がそう聞いたのは、その日が初めてでした。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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