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「お父さん、蛇口をひねっても水が出ないの」真夏に80戸が3日間断水、45歳会社員が直面した“想定外の事態”

  • 2026.8.16
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。不動産管理会社で10年以上の現場経験があり、マンション管理士の資格を持つライターのS.Kです。朝起きて顔を洗おうとしたときに蛇口から一滴も水が出なかったら、戸惑ってしまうのではないでしょうか。

日ごろ当たり前に使えている水が止まると、暮らしはたちまち回らなくなります。今回は真夏の猛暑日に突然の断水に見舞われ、大変な思いをした家族のエピソードを紹介します。

80戸全体で水が止まった真夏の朝

築25年で総戸数80戸のマンションの6階に住むIさん(45歳・会社員)は、妻と中学生の長女、小学生の長男の4人家族です。去年8月の夜、シャワーを浴びていたIさんは水圧の弱さに違和感を覚えました。翌朝、妻が慌てた様子で洗面所から戻ってきました。

「お父さん、蛇口をひねっても水が出ないの」

トイレのレバーを操作しても水は流れず、建物全体で水が止まっていました。このマンションでは、道路の水道本管から敷地内の受水槽に入った水を、ポンプで屋上の高置水槽へ送り、各戸へ供給する仕組みをとっています。

受水槽から先の設備については、管理組合が維持や更新を担っていました。

ポンプは2台でも、制御盤は1つだった

管理会社からの連絡を受けて保守業者が点検に訪れると、原因はポンプへ指示を出す制御盤(制御用の電気回路を収めた箱)の故障と判明します。ポンプ自体は2台あり、普段は交互に動いて、1台が故障してももう1台が水を送れる仕組みでした。

しかし指示を出す制御盤は1つしかなく、その故障でどちらのポンプも動けなくなり、屋上の水槽は朝までに空になっていたのです。交換用の部品は在庫がなく取り寄せになり、復旧まで3日かかる見込みと知らされます。

管理会社が手配した給水車から、各家庭へ水を運ぶ生活が始まりました。20Lで20kgになるポリタンクを一日に何度も運ぶのが、猛暑のなかで一番こたえたとIさんは語ります。

4人分の風呂は銭湯、洗濯はコインランドリーで済ませたため、3日間に10,000円超の費用がかかりました。部品交換が済み、ようやく水が戻ります。断水のあとに配られたお知らせでは、詳しい事情が居住者へ伝えられました。

給水設備の更新は長期修繕計画に入っていたものの、修繕積立金に余裕がなく先送りされていたそうです。今回のトラブルを受けて、理事会は次の計画見直しで給水設備の更新を早める検討を始めました。

まずは自分のマンションの給水方式を知る

マンションの給水には、道路の本管から各戸へ直接届く直結式と、水槽を経由する受水槽式があります。受水槽式は、ポンプや制御盤など建物側の設備の故障が断水につながります。

まずは、自分の住まいがどちらの方式かを確かめましょう。管理会社に聞けば教えてもらえます。受水槽式の場合は、長期修繕計画と修繕の履歴で、ポンプや水槽の更新時期を確認してみてください。

国土交通省の調査では、計画上の修繕積立金額に対して実際の積立額が不足しているマンションが36.6%あり、修繕の実施時期が遅れる場合もあります。日常的な水の備えは、地震などの災害対策にもそのまま役立ちます。

飲料水の備蓄やポリタンク、生活用水をためられる容器は、設備の故障でも災害でも役に立ちます。なお、断水したときの連絡先は、建物の中の設備なら管理会社、道路の本管なら水道局と分かれているので、掲示や契約書類で確認しておきましょう。

参考:
長期修繕計画作成ガイドライン(国土交通省)
令和5年度マンション総合調査結果からみたマンションの居住と管理の現状(国土交通省)



ライター:S.K(マンション管理士)
不動産管理会社で10年以上の現場実務に携わり、業界団体の評価制度策定委員会に所属していた経験がある。現在はライターとして、自身の豊富な経験・知見をもとに、一次情報を盛り込んだ不動産記事を多数執筆している。


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