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「1階が定食屋」築48年の団地2階で…30代夫婦が夜中のキッチンでゾッとしたワケ【一級建築士は見た】

  • 2026.9.6
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

「真夏になってから、夜中のキッチンに出るんです。1階が定食屋なのと、関係あるんでしょうか」

正体は、G(ゴキブリ)です。そう話すのは、昨年の冬、駅前の古い団地の一室(築48年・2LDK・56㎡、リノベーション済みで約1,600万円)を買ったAさん(30代夫婦・子ども1人の3人暮らし)です。

住まいは4階建ての2階で、真下の1階には昔ながらの定食屋。駅近で手頃、1階の店も気に入っていました。購入時、不動産会社から「1階に飲食店があるので、においや音は内見で確かめてください」と説明を受け、昼と夜に内見して納得済み。ただ、虫の通り道までは考えていませんでした。

建物は、上下に「つながって」いる

1階が店舗、上が住宅の団地は「げたばき住宅」と呼ばれる昭和の型です。建物の中には各階を貫くパイプスペース(配管をまとめた縦の空間)があり、配管が床や壁を抜ける部分には、古い建物ほど隙間が残りがちです。Gの主な侵入経路はシンク下の配管、換気扇、エアコンの配管まわりなどで、5mmの隙間があれば入れます。部屋は別々でも、建物は縦の通り道でつながっているのです。

問題は1階のお店ではない

飲食店には食品衛生のうえで害虫の防除が求められ、定期的な駆除を続けている店がほとんど。1階の定食屋も、年に数回の駆除を欠かさず行っていました。それでも、餌と水と暖かさのそろう建物にGが寄るのは避けにくいもの。問題は店ではなく、部屋までの「通り道」が開いていたことです。

Aさん宅では、シンク下の配管まわりに指が入るほどの隙間。リノベーションで新しくなるのは見える部分が中心で、配管が床を貫く部分までは及んでいなかったのです。活動が活発な真夏に現れたのは、偶然ではありませんでした。

Aさん夫婦はどう対応したのか

大がかりな工事は見送り、シンク下と洗面台下の配管まわりの隙間を配管用パテで埋めました(数百円から。ただし通気口は、ふさぐとほかの虫やカビが繁殖しやすくなるため、ふさがずに防虫フィルターを貼る程度にとどめます)。あわせてベイト剤(毒餌剤)を、流しの下など子どもの手が届かない場所に設置し、ベランダ側には屋外用も。以後、姿はほとんど見なくなったといいます。

「部屋の中」より、通り道を見る

駅前の立地に手の届く価格、1階に店のあるにぎわい。古い団地ならではの魅力の一方で、築年数を重ねた建物は「隙間の数」も重ねています。以下を確かめてみてください。

・シンク下・洗面台下の配管まわりの隙間は、配管用パテでふさぐ(通気口はふさがず防虫フィルター等で対策)
・ベイト剤は流しの下や冷蔵庫まわりなど、暗くて暖かい場所のそばに
・1室だけの対策では戻ってくることも:管理組合を通じて建物全体での対応を
・店舗併設の建物は、においや音に加えて配管まわりの隙間も内見で確かめる

通り道さえふさげば、駅前の古い団地は、夏も安心して暮らせる住まいであり続けます。


ライター:yukiasobi(一級建築士・建築基準適合判定資格者)
行政で住宅政策・都市計画・建築確認審査など10年以上の実務経験を持つ。現在は住宅・不動産分野に特化したライターとして活動し、空間設計や住宅性能、都市開発に関する知見をもとに、高い専門性と信頼性を兼ね備えた記事を多数執筆している


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