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「お盆は毎週、知らない人が隣に…」閑静な住宅街でマイホームを買った30代夫婦が直面した“夏の異変”【一級建築士は見た】

  • 2026.8.16
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

「夏休みに入ってから、毎週知らない人が隣に泊まりに来るんです。お盆は特に人が多く、夜のキャリーケースの音で、子どもが起きてしまって」

そう話すのは、4年前、郊外の住宅地に中古の一戸建て(築13年・4LDK・延床約105㎡/土地約145㎡、約4,800万円)を買ったDさん(30代夫婦・子ども1人の3人暮らし)です。

購入時、不動産会社からは「まわりは住宅ばかりで静かな環境」と聞いていて、実際そのとおりでした。変わったのは今年の春。隣の家が売りに出たあと、玄関脇に見慣れないプレートが掲げられ、「民泊」として使われ始めたのです。当初は、人の出入りもまばらでした。

住宅街に民泊?

2018年6月に施行された住宅宿泊事業法(いわゆる民泊新法)により、自治体へ届出をすれば、ホテルや旅館が建てられない住宅地でも、年間180日を上限に「住宅」のまま人を泊める事業ができるようになりました。

閑静な住宅街の一戸建てが、ある日民泊になる。それは制度のうえであり得ることなのです。届出住宅には標識の掲示が義務づけられていて、Dさんが玄関脇で見たプレートがまさにそれ。標識には届出番号が書かれており、多くの自治体がウェブサイトで「届出住宅の一覧」を公表しているため、住所や番号を照合すれば、正規の届出がある民泊かどうかを近隣住民側からも確かめられます。自治体によっては、条例で区域や期間をさらに制限している場合もあります。

「知らない人が毎週隣に」の現実

夏休みやお盆は、予約が集中する時期です。Dさん宅では、夜遅くのキャリーケースの音と話し声、収集日や分別の異なるゴミ出し、そして「隣に誰がいるのか分からない」という落ち着かなさが重なりました。

ただ、法律では事業者に対し、周辺住民からの苦情への対応や、宿泊者への騒音・ゴミ出しルールの説明を義務づけています。苦情に対応する仕組みが、制度に組み込まれているのです。

Dさん夫婦はどう対応したのか

塀のかさ上げや窓の防音工事(数十万円規模)も考えたそうですが、見送りました。代わりに、標識に書かれた管理業者の連絡先へ、夜間の音とゴミ出しの状況を日時のメモとともに伝えました。

管理業者は宿泊者向けのハウスルールを部屋に掲示し、ゴミは業者回収へ切り替え。あわせて市の民泊窓口にも相談し、届出の内容と相談の流れを確認しました。数週間で、夜の音は目に見えて減ったといいます。

「直接言いに行かなくて正解でした。窓口がある制度なんですね」とDさんは話します。

隣が民泊になったら、まず“標識”を見る

民泊は、観光や空き家対策の面で意義のある制度でもあります。一方で、隣に暮らす側には夜の音やゴミという現実があるのも確かです。以下を確かめてみてください。

・隣が民泊になったら、まず玄関まわりの標識で届出者、管理業者の連絡先を確認
・届出の確認は、(1)標識の届出番号と住所を控える、(2)自治体サイトの「届出住宅一覧」で照合、(3)一覧にない、標識自体が見当たらないときは自治体の民泊窓口へ相談、の順で
・気になることは直接言いに行くのではなく、管理業者→自治体の民泊窓口の順で(日時のメモが有効)
・事業者には苦情対応やゴミ、騒音の説明義務がある(一人で抱え込む制度ではありません)
・中古住宅の購入時は、周辺の空き家や売り出しの様子にも目を向ける

制度の窓口を知っていれば、隣の変化にも、落ち着いて向き合えます。

参考:
よくあるご質問(観光庁 民泊制度ポータルサイト)
住宅宿泊事業(民泊)の届出について(横浜市)


ライター:yukiasobi(一級建築士・建築基準適合判定資格者)
行政で住宅政策・都市計画・建築確認審査など10年以上の実務経験を持つ。現在は住宅・不動産分野に特化したライターとして活動し、空間設計や住宅性能、都市開発に関する知見をもとに、高い専門性と信頼性を兼ね備えた記事を多数執筆している。


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