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「車はあるのに買い物が一番の重労働」8,200万円のタワマン購入、炎天下2往復で30代夫婦が気づいた“盲点”【一級建築士は見た】

  • 2026.8.17
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

「『駐車場は敷地内に100%』と聞いて買ったんです。でも実際は、棟の反対側の駐車場棟まで片道5分。お盆の買い出しは炎天下を2往復で、部屋に着く頃には汗だくで…車はあるのに、買い物が一番の重労働なんです」

そう話すのは、昨年、駅近の大規模タワーマンション(築3年・3LDK・74㎡、約8,200万円)の17階に住まいを買ったWさん(30代夫婦・子ども1人の3人暮らし)です。

総戸数600戸、敷地の中には緑地と広場、そして敷地の端に自走式の立体駐車場棟。契約のとき「駐車場は敷地内に100%確保」と説明を受け、配置図で駐車場棟の位置も見ていました。ただ、図面の上の数センチが、荷物を抱えた徒歩5分だとは、実感できていなかったのです。

「駐車場100%」と「駐車場が近い」は、別の話

マンションの駐車場には、平置き・自走式立体・機械式立体の3タイプがあります。自走式は機械の待ち時間がなく、出し入れが速いのが持ち味ですが、台数をまとめるため別棟になることが多い形式です。大規模な敷地では、住棟のまわりに緑地と広場を置き、駐車場棟を敷地の端へ寄せる配置がよく採られます。つまり敷地が立派なほど、部屋と車の距離は伸びやすいのです。

Wさんの動線は、部屋からエレベーター、エントランス、外周の通路を経て駐車場棟まで片道約300m。エレベーターの待ち時間も合わせ、ドアから車まで片道5分です。ふだんは気にならない距離が、真夏は炎天下の道になります。お盆の買い出しでは、米に飲料ケースに帰省土産。数台ある共用カートは出払っていて、夫婦で2往復。真夏の昼下がり、一日でも特に暑い時間帯に、重い荷物を抱えて片道300mを2往復。汗だくになるのも、無理はありませんでした。

Wさん夫婦はどう対応したのか

まず、買い出しを開店直後の午前へ移しました。気温が上がりきる前で、共用カートも空いている時間帯です。車には折りたたみのキャリーカート(数千円)を常備し、カートが出払っていても1往復で運べる態勢に。出入口寄りへの区画の入れ替えについても聞きましたが、空き待ちの順番制で当面は先の話でした。

内見は「車から玄関まで」を歩いて測る

敷地内に100%の駐車場、機械待ちのない自走式、住棟を包む緑地と広場。大規模マンションの豊かさは、この住まいの確かな魅力です。一方で、その豊かさの分だけ、車と玄関の距離は伸びます。以下を確かめてみてください。

・内見では駐車場から玄関まで実際に歩き、時間を測る(荷物のある日を想像しながら)
・共用カートの台数と混み合う時間帯を、管理員さんや掲示物で確認する
・炎天下の往復は、朝や夕方の涼しい時間帯へずらす

「車から玄関まで」を知って選べば、敷地の広さは、暮らしの豊かさとして返ってきます。


ライター:yukiasobi(一級建築士・建築基準適合判定資格者)
行政で住宅政策・都市計画・建築確認審査など10年以上の実務経験を持つ。現在は住宅・不動産分野に特化したライターとして活動し、空間設計や住宅性能、都市開発に関する知見をもとに、高い専門性と信頼性を兼ね備えた記事を多数執筆している。


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