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「屋根の下なのに、なぜ…?」4年前に約5,500万円で建てた注文住宅→30代夫婦が真夏に直面した“誤算”【一級建築士は見た】

  • 2026.8.12
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

「カーポートを付けたから、夏の車内は平気だと思っていたんです。でも乗り込んだ瞬間はむわっとするし、ハンドルは触れないほど熱い。屋根の下なのに、なぜ…?答えは、屋根の『素材』にありました」

そう話すのは、4年前、郊外の住宅地に、地元の工務店で注文住宅(4LDK・延床約107㎡/土地約168㎡、約5,500万円)を建て、カーポートも設置したAさん(30代夫婦・子ども1人の3人暮らし)です。

外構の打ち合わせで、業者から「屋根材には一般のポリカーボネート(樹脂製の透明な屋根板)と、熱線をカットするタイプがあります。差額は数千円ほどですが、夏の暑さの感じ方が変わります」と説明を受けていましたが、「屋根があれば日陰は同じだろう」と考えて、一番手頃な一般ポリカを選びました。

気になり始めたのは今年、子どもの送り迎えで日中に車を使うことが増えてからです。

日陰をつくることと、熱を遮ることは、別の話

太陽の熱は、目に見える光だけでなく熱線(赤外線)でも届きます。一般のポリカは明るさを通すぶん、熱線もある程度通します。屋根パネルは色や種類で熱線のカット率と可視光線透過率(明るさの通しやすさ)が変わり、熱線遮断・熱線吸収タイプは熱線を抑える設計です(遮断は熱線をはね返し、吸収は板が受け止めるタイプ。メーカーにより名称が異なります)。同じ「屋根の下」でも、パネルの種類しだいで車体に届く熱は変わります。

Aさん宅の屋根は明るく開放的な半面、真夏の車内は思ったほど涼しくなりません。JAFの真夏の車内温度テスト(炎天下での駐車を計測したもの)では、ダッシュボードは車内よりさらに高温になり、エアコン停止からわずか15分で熱中症指数が危険レベルに達しています。屋根があっても、真夏の車内に短時間でも子どもを残すのは禁物で、ハンドルでのやけどにも注意が必要です。

Aさん夫婦はどう対応したのか

すぐに効果が出る手から打ちました。フロントにサンシェード(数百円から)を置いてダッシュボードとハンドルの熱を抑え、乗る前はドアの開閉などで熱気を逃がします。乗車時の換気はJAFも勧める方法です。

設置業者に相談すると、骨組みはそのままに、パネルだけ熱線遮断タイプへ張り替えられると分かりました。見積もりは1台用で数万円台から。今のパネルが傷んできたタイミングで替える計画にしました。

カーポートの屋根は「色」より「熱線カット」で選ぶ

どのパネルも紫外線をほぼ100%カットし、雨や霜、鳥のフンから車を守る。この恩恵は、屋根材の種類に関わらず得られます。一方で、夏の暑さの感じ方は、パネルの種類で変わります。以下を確かめてみてください。

・新設や張り替えの見積もりでは、一般ポリカと熱線遮断(吸収)タイプの差額を確認する(数千円から1万円台が目安)
・今のカーポートも、骨組みを生かして屋根パネルだけ張り替えられる場合がある
・すぐ効く対策はサンシェードと乗車前の換気
・屋根があっても真夏の車内は高温になる――短時間でも子どもを車内に残さない

屋根の素材まで選べば、真夏の乗り込みは、今よりずっと穏やかになります。

参考:真夏の車内温度(JAFユーザーテスト)(JAF)


ライター:yukiasobi(一級建築士・建築基準適合判定資格者)
行政で住宅政策・都市計画・建築確認審査など10年以上の実務経験を持つ。現在は住宅・不動産分野に特化したライターとして活動し、空間設計や住宅性能、都市開発に関する知見をもとに、高い専門性と信頼性を兼ね備えた記事を多数執筆している。


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