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お盆に夫の両親2泊、3LDKの注文住宅で30代夫婦が「まさか」と絶句…客間なし住宅の盲点【一級建築士は見た】

  • 2026.8.13
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

「お盆に夫の両親が2泊しに来ることになって、はたと気づいたんです。うちには、泊まってもらう部屋がありません。和室のない、LDK中心の間取りにしたので…。まさか泊まる場所に困るなんて、家を建てたときは考えもしませんでした」

そう話すのは、4年前、郊外の住宅地に、地元の工務店で和室のない注文住宅(3LDK・延床約95㎡/土地約115㎡、約4,600万円)を建てたKさん(30代夫婦・子ども1人の3人暮らし)です。個室は夫婦の寝室と子ども部屋、あとは在宅勤務用の2畳ほどの仕事部屋。

これまで夫の両親が来るときは日帰りで、泊まってもらうのは今年が初めて。設計の打ち合わせでは、和室や客間を設けるかも話題に出ていました。使うかどうか分からない部屋にお金をかけるより、毎日使うLDKを広く。当時は、それが一番納得のいく答えだったのです。

客間が消えたのは、間取りが「毎日」に最適化された結果

かつての家にあった和室は、ふだんは茶の間、来客があれば客間、泊まりがあれば寝室と、役割を着替えられる部屋でした。いまの家づくりでは、限られた延床面積を毎日使うLDKへ充てるために、独立した和室や客間を設けない間取りが少なくありません。設計の考え方としては、合理的な進化です。

ただ、その合理性は「泊まり客はめったにない」という前提の上に立っています。そして、お盆や年末年始だけ、前提の外から泊まり客がやってきます。Kさんの家の誤算は、設計の失敗というより、この前提のすき間から生まれたものでした。

消えたのは部屋だけではない。「布団の置き場」も消えている

見落とされがちなのが、収納です。和室にはたいてい押し入れがセットで付いていて、来客用の布団一式は、そこにしまわれていました。和室をなくすと、部屋と一緒に、布団の置き場も消えるのです。

来客用の布団は、1組そろえれば数万円。しかも使うのは年に数日で、残りの約360日は場所を取り続けます。Kさんの家もクローゼット中心の収納で、布団一式をしまえる場所はありませんでした。泊まってもらう「部屋」と「寝具」、その両方が最初からなかったのです。

Kさん夫婦はどう対応したのか

Kさん夫婦が出した答えは、「部屋は貸し借り、布団はレンタル」でした。

2泊のあいだ、子ども部屋を義父母の部屋にして、子どもは夫婦のベッドで一緒に寝ることにしました。個室の一時的な貸し借りなら、間取りは変えられなくても、部屋の役割は変えられます。エアコンのある個室なので、熱帯夜でも安心して休んでもらえます。

布団は、宅配のレンタルを使いました。注文すると指定日に届き、使い終わったら集荷に来てもらうだけ。料金は1組1泊数千円からで、買わずにすむうえ、しまう場所も要りません。事前に「うちは客間がないので、子ども部屋で休んでもらいますね」と伝えておいたことで、当日も気兼ねなく過ごせました。

「布団を買って、しまう場所に悩むことを思えば、レンタルは理にかなっていました。部屋は増やせなくても、迎え方は用意できるんですね」とKさんは話します。

客間のない家は「迎え方」を決めておく

LDK中心の間取りは、家の面積を毎日の暮らしに集中させた、無駄のない住まいです。使わない部屋の掃除や冷暖房に手間を取られることもありません。一方で、泊まり客の受け皿は、間取りの外で用意することになります。お盆や年末の前に、以下を決めておくと安心です。

・家づくりでは「年に何回、誰が泊まるか」まで想像して、和室・客間の要不要を決める
・客間を設けないなら、個室の一時的な貸し借りで「泊まってもらう部屋」をつくる
・来客用布団は、買わずに宅配レンタルという選択肢もある
・泊まってもらう部屋の冷房の有無と、朝の生活動線が重ならないかも確かめる

客間がなくても、部屋の貸し借りと布団のレンタルで迎え方は用意できると知っておけば、お盆の泊まり客は負担が少なく迎えられます。


ライター:yukiasobi(一級建築士・建築基準適合判定資格者)
行政で住宅政策・都市計画・建築確認審査など10年以上の実務経験を持つ。現在は住宅・不動産分野に特化したライターとして活動し、空間設計や住宅性能、都市開発に関する知見をもとに、高い専門性と信頼性を兼ね備えた記事を多数執筆している。


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