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「真夏にお湯が切れるなんて思ってもみなくて」お盆2晩連続で湯切れに見舞われた30代夫婦の盲点【一級建築士は見た】

  • 2026.8.7
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

「お盆に両親が泊まりに来た初日の夜、父のお風呂の途中で、お湯が水になったんです。リモコンを見たら「残湯なし」の表示で…。真夏にお湯が切れるなんて思ってもみなくて、次の日の夜も、また同じことになりました」

そう話すのは、2年前、郊外の住宅地に、地元の工務店でオール電化の注文住宅(4LDK・延床約111㎡/土地約200㎡、約4,400万円)を建てたJさん(30代夫婦・子ども1人の3人暮らし)です。

給湯は、タンク容量370Lのエコキュート。引き渡しのときに「夜のうちに沸かしてためたお湯を使う仕組み」という説明は受けていましたが、ためた分しか使えないことの意味を実感する場面は、ふだんの3人暮らしではありませんでした。それが、お盆の来客によって一気に表面化したのです。

エコキュートは「ためたお湯」で暮らす給湯器

エコキュートは、電気料金の安い夜間に、タンクにお湯を沸かしてためておき、翌日はそれを使って暮らす給湯器です。ガス給湯器のように、使うそばからその場で沸かし続ける方式ではありません。

タンクの中には高温のお湯がためられていて、使うときに水と混ぜて適温にするため、実際に使える42℃のお湯は、タンク容量の数字より多くなります。それでも、上限が「ためた分」で決まることに変わりはありません。使い切れば、蛇口から出るのは水だけ。これが「湯切れ」です。故障ではなく、仕組みどおりの現象で、夜のあいだに沸き上げがかかれば、翌朝には元に戻ります。

タンクは「ふだんの3人」に合わせてある

見落とされがちなのが、タンクの沸き上げ量が「ふだんの暮らし」に最適化されていることです。

まず、容量です。370Lは3〜4人家族の目安とされる定番サイズで、Jさんの家の3人暮らしにはぴったりでした。ただ、お湯の使用量は、湯はりは約180〜200L、シャワーは1人あたり約80Lが目安です。両親が加わって5人になり、湯はりのあとに人数分のシャワーが続けば、普段の3人分の設定のままでは、お湯が足りなくなる計算になります。

さらに、エコキュートには、ふだんの使用量を学習して、沸かす量を自動で控えめにする省エネの機能があります。3人分の暮らしを学習したタンクに、5人の入浴が押し寄せる。湯切れは水の冷たい冬に多いトラブルですが、人数が増えれば、夏でもこうして起こるのです。

Jさん夫婦はどう対応したのか

湯切れが二晩続いたあと、Jさん夫婦はリモコンの設定を開き、沸き上げ量を「多め(満タン)」に変更しました。操作はボタンひとつで、簡単に設定できます。。日中に沸かし足す「沸き増し」という機能もありますが、すぐには終わらないため、湯切れに気づいてからでは、その晩の入浴に間に合わないこともあります。だから正解は、来客の前日から満タンにしておくことでした。

あわせて、入浴の段取りも決めました。湯はりは1回にして、冷めないうちに続けて入る。シャワーはこまめに止める。それだけで、5人でも余裕をもって回るようになりました。

「機械の故障を疑って、メーカーに電話する寸前でした。設定ひとつの話だと分かって、次の帰省からは、来る前の日に満タンにしておきます」とJさんは話します。

泊まり客が決まったら「お湯の準備」も

エコキュートは、夜間の電気でお湯をつくる、光熱費を抑えやすい給湯器です。火を使わない安心感もあり、オール電化の家の定番になっています。一方で、その日に使えるお湯の上限は「ためた分」で決まります。泊まり客を迎えるときは、以下のように段取りをしておくと安心です。

・タンク容量は「ふだんの人数」だけでなく、泊まり客の頻度も考えて選ぶ(370Lは3〜4人が目安)
・泊まり客が決まったら、前日に沸き上げを「多め・満タン」の設定へ
・湯切れしても故障ではない。「沸き増し」で回復できるが、時間がかかると知っておく
・湯はりは1回にして続けて入る、シャワーはこまめに止めるなど、使い方を工夫する

エコキュートが「ためた分で暮らす」給湯器だと理解し、来客の前日にお湯の準備までしておけば、お盆の湯切れは防げます。

参考:
我が家にピッタリのエコキュートは?(三菱電機)
【エコキュート】朝になってもタンクのお湯がいっぱいにならない(残湯量表示がすべて点灯しない)(パナソニック)


ライター:yukiasobi(一級建築士・建築基準適合判定資格者)
行政で住宅政策・都市計画・建築確認審査など10年以上の実務経験を持つ。現在は住宅・不動産分野に特化したライターとして活動し、空間設計や住宅性能、都市開発に関する知見をもとに、高い専門性と信頼性を兼ね備えた記事を多数執筆している。


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