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「期限内に申告さえしていれば…」父から1000万円の援助で新築購入した30代男性、翌年夏に届いた“税務署からの通知”

  • 2026.8.7
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。大手不動産会社に入社以降10年以上の現場経験があり、宅地建物取引士の資格を持つライターのT.Sです。マイホームの購入では、親から資金援助を受ける方も多いのではないでしょうか。

「住宅資金の贈与には非課税枠がある」という話を、耳にした経験があるかもしれません。今回は、援助された資金を申告しないまま期限を過ぎ、思わぬ税金を納めることになった実例を紹介します。

110万円の非課税と同じ感覚でいた住宅資金

Cさん(30代後半・会社員)は、妻と子の3人家族です。2025年に省エネ基準を満たす新築マンションを購入し、頭金として父から1,000万円の援助を受けました。

借入額を減らせる、ありがたい申し出でした。「親からの住宅資金には非課税枠がある」と、職場でもSNSでも聞いていました。年間110万円までの贈与に申告がいらないのと同じ感覚で、非課税なら手続きもいらないと思い込んでいたのです。

翌年の夏、税務署から届いた資金の出どころの確認

購入の翌年の夏、税務署から「お買いになった資産の買入価額などについてのお尋ね」という書類が届きました。不動産を買った人に、購入資金の出どころを確認する文書です。

回答を機に税理士へ相談したCさんは、告げられた言葉に固まりました。

「期限内に申告さえしていれば、この贈与税はかからなかったんですよ」

直系尊属(父母や祖父母)からの住宅取得等資金の贈与には、省エネ等住宅で1,000万円までを非課税とする特例があります。ただし適用には、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに、贈与税の申告書と添付書類を税務署へ出すことが条件です。

期限を過ぎると、特例は使えません。結果、1,000万円から基礎控除の110万円を引いた890万円が課税対象になり、贈与税は177万円でした。

無申告加算税と延滞税も上乗せされて納税額は200万円を超え、Cさんは子どもの教育費として蓄えてきた貯蓄を取り崩して納めました。

非課税でも申告は必須、期限は翌年3月15日

毎年110万円までの基礎控除は、申告をしなくても贈与税がかかりません。一方、住宅資金の特例は、期限内に申告をした場合にだけ適用される仕組みです。

親から110万円を超える住宅資金の援助を受けたら、特例によって税金がかからない金額であっても、翌年2月1日〜3月15日に申告してください。戸籍謄本などの添付書類をそろえる時間もいるため、年明けには準備を始めると、期限の間際に慌てずに済みます。

非課税の限度額は原則500万円で、省エネ等住宅の基準を満たすと1,000万円に引き上げられます。入金の時期や入居の期限といった細かな要件もあるので、契約前に国税庁のページで確認するか、税務署や税理士に相談してみてください。

参考:
No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税(国税庁)
No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)(国税庁)



ライター:T.S(宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランニング技能士)
大学卒業後、大手不動産会社に入社。10年以上にわたり、都心のタワーマンションから郊外の築古戸建てまで、数多くの現場経験を積む。現在は不動産ライターとして「業界の不都合な真実」や、消費者が陥りやすいマネーの罠について、実体験に基づく記事を執筆している。


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