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「ホコリも減るし一石二鳥だ」SNSの節電術を信じた40代夫婦、設定温度25℃でも涼しくならなかった“真夏の誤算”

  • 2026.8.7
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

夏になると子どもの夏休みで在宅時間が増えたり、エアコンを一日中使ったりすることも多く、少しでも電気代を抑えたいと考える方は少なくありません。

最近はSNSでも「簡単にできる節電術」や「電気代が安くなる裏ワザ」といった投稿や動画を見かける機会が増えています。手軽に試せそうな内容だと、つい取り入れてみたくなる方も多いのではないでしょうか。

しかし、メーカーが想定していない方法を取り入れると、節電どころかエアコン本来の性能を十分に発揮できず、かえって冷房効率が低下してしまうこともあります。

今日は、SNSで見つけた節電術を試した結果、エアコンが冷えにくくなり、真夏にかえって余計な電気代を招いてしまったエピソードをご紹介します。

SNSの投稿を信じて設置した「消臭シート」

数年前、戸建て住宅を購入した40代のAさんご夫婦から相談を受けたときのことです。

その年の夏は猛暑日が続き、毎日のようにエアコンをつけっぱなしにしていました。電気代の請求額を見るたびに、ため息が出る日々だったそうです。

「また上がってる…少しでも節電できる方法はないかな」

そう思って夫婦でスマートフォンを見ていると、SNSの、ある投稿が目に留まりました。

“エアコンのフィルターに消臭シートを貼るだけで節電に!”

投稿には「冷房効率が上がった」「電気代が下がった気がする」といった体験談も並び、多くの「いいね」が付いていたため、ご夫婦はすっかり信じ込んでしまいます。

その日の夕方、近所のドラッグストアで市販の消臭シートを購入し、帰宅するとすぐに脚立を持ち出しました。

「ホコリも減るし、空気もきれいになるなら一石二鳥だ」

そう話しながら、エアコンの吸込口(室内の空気を取り込む部分)のフィルターに消臭シートを重ねて貼り付けたそうです。作業はほんの数分で終わり、ご主人は満足そうにエアコンのスイッチを入れました。

「こんなに簡単なら、もっと早くやればよかったね」

そのときは、ご夫婦とも節電効果を疑うことはなかったそうです。

冷房を強くしても部屋がまったく涼しくならない

消臭シートを取り付けてから数日後のことでした。外は連日の猛暑日。朝から強い日差しが照りつけ、リビングではエアコンが休むことなく動き続けていました。

ところが、ご夫婦は少しずつ異変に気付き始めます。以前なら設定温度27℃でも快適に過ごせていたリビングが、なんとなく蒸し暑いのです。

「今日は特別暑いからかな」

最初はそう思い、設定温度を26℃へ下げました。それでも変わらず、今度は25℃へ。

リモコンの温度表示だけが次々と下がっていく一方で、室内はなかなか涼しくなりません。ソファに座っていた奥様はハンディファンを手放せず、お子さんも「まだ暑い…」と言って何度も冷蔵庫のお茶を飲みに来たそうです。

エアコンは朝から動き続けているのに、吹き出してくる風は以前よりどこか弱く感じられました。

「故障したのかな」「まだ買って数年なのに…」

ご主人は吹出口へ手をかざしたり、リモコンを何度も操作したりしましたが、状況は変わりません。結局、その日はエアコンを「強風運転」にして朝から夜までほとんど止められず、それでも家族全員が汗ばみながら過ごす一日になってしまったそうです。

原因は消臭シート?風量が落ちていた可能性

翌日の朝、ご主人はメーカーのサポート窓口へ電話をかけました。

「まだ新しいエアコンなのに、急に冷えなくなったんです」

症状を一つずつ説明すると、担当者から思いがけない質問が返ってきました。

「フィルターの上から何か取り付けていませんか」

Aさんは、前日に貼った消臭シートのことを伝えます。すると担当者は、こう説明したそうです。

「吸込口がふさがれることで風量が低下し、本来の性能を十分に発揮できなくなっている可能性があります。一度取り外して様子を見てください」

半信半疑のまま脚立を持ってきて消臭シートをはがし、もう一度エアコンのスイッチを入れると、ご夫婦はすぐに違いを感じました。

「風、さっきより強くない?」

吹出口から勢いよく冷たい風が流れ始め、しばらくすると蒸し暑かったリビングも少しずつ涼しくなっていきます。

「まさか、原因がこれだったなんて…」

Aさんご夫婦は思わず顔を見合わせたそうです。

節電になると思って取り付けた消臭シートが、結果として空気の流れを妨げ、冷房効率を低下させていました。その影響でエアコンの運転時間が長くなり、かえって余計な電気代につながっていたのかもしれません。

エアコンはメーカーが想定した使い方を守ることが大切

この出来事以降、Aさんご夫婦は自己流の節電術をやめ、メーカーが推奨するお手入れ方法だけを続けるようになりました。エアコンは、メーカーが指定したフィルターを通して十分な空気を取り込み、適切な風量を確保できるよう設計されています。

そのため、エアコン専用ではない市販の消臭シートを代用したり、エアコンメーカーが推奨していない追加フィルターなどを重ねて取り付けると、空気の流れが悪くなり、冷房効率が低下して余計な電力を消費する可能性があります。

また、フィルターを増やしたからといって、エアコンの寿命が大幅に延びるわけではありません。内部へ入り込むホコリを多少減らせる可能性はありますが、それ以上に風量が落ち、本来の性能を十分に発揮できなくなることも考えられます。

暑さが厳しい時期ほど、「簡単に節電できる」というSNSの情報をそのまま信じるのではなく、メーカーの取扱説明書や公式サイトで推奨されている使い方を確認することが大切です。

真夏の快適さを守るためにも、エアコンは本来の性能を発揮できる状態で使用したいものです。



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


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