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70代母「前からあるわよ」車で2時間、実家に帰省→30代息子が違和感を覚えた“異様な光景”【一級建築士は見た】

  • 2026.9.20
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

「帰省した実家の天井に、しみがあったんです。母は『前からあるわよ』って言って、気にもしていないのですが気になって…」

そう話すのは、車で2時間の実家に帰省したAさん(30代男性、妻と子ども1人の3人暮らし)です。実家は、両親が約30年前に約2,400万円で建てた一戸建て(築30年・4LDK・延床約106㎡/土地約185㎡)。

70代の両親が二人で暮らしています。泊まった2階の元自室で、天井の隅に広がる茶色いしみを見つけました。母に聞くと「梅雨ごろから。前からあるから大丈夫」とのこと。

5年前の外壁塗装のとき、業者から「屋根の谷の板金がさびてきている。次は屋根を」と言われていたそうですが、両親は「まだ大丈夫」と先送りにしていました。

しみは、天井の表面だけでは終わらない

雨漏りの水は、天井板を濡らすだけでは終わりません。上にある下地や断熱材、柱へと回り、表面が乾いて見えても中は湿ったまま。木の腐りやカビ、シロアリの入り口になります。修理の範囲は、放っておいた時間に比例して広がります。

原因で多いのは、屋根の谷(屋根面が合わさる溝の板金で、雨水が集まる場所)のさびや穴、棟の板金の釘浮き、継ぎ目のシーリングの切れ、防水紙の寿命。台風などのあとは屋根材メーカーも点検を勧めており、夏の集中豪雨のあとも、同じく点検のタイミングと言えます。

「前からある」の、前とはいつか

Aさんの母の言う「前」は梅雨ごろでした。しみは夏の豪雨で広がっていましたが、2階の使わない部屋を毎日見上げる人はいません。年を重ねると、見上げる機会が減り、直すお金と工事の手間を思うと「大丈夫」と思ってしまいがち。

実家の雨漏りは、暮らしている親より、帰省した子が先に気づくことが多いものです。

Aさんはしみを写真に撮り、実家を建てた工務店に点検を頼みました。点検の結果、谷の板金にさびの穴があり、継ぎ目から入った水で防水紙が傷み、下地の一部が湿っていました。

谷板金の交換と防水紙の補修、天井板と断熱材の交換で約45万円。5年前に板金だけ替えていれば10万円台で済みました。自然災害ではなく経年の傷みなので、火災保険は原則対象外です。費用は両親が出し、手配と立ち会いはAさんが引き受けました。

帰省は、実家の点検日

親が元気に暮らしている実家は、それだけで心強いものです。帰省は、年に数回、外の目が入る機会でもあります。一方で、親の「大丈夫」には我慢や遠慮が混じることがあるからこそ、子が先に気づいて動く段取りが欠かせません。

・天井のしみは「前からある」でも進行中の合図。乾いて見えても中は湿っていることがある
・原因は屋根の谷や棟の板金、継ぎ目、防水紙の寿命。豪雨や台風のあとは点検の合図
・屋根には登らない。転落の危険と、踏んで屋根材を割る恐れがある。点検と修理は業者へ

次の帰省では、久しぶりに泊まる部屋の天井を、一度見上げてみてください。


ライター:yukiasobi(一級建築士・建築基準適合判定資格者)
行政で住宅政策・都市計画・建築確認審査など10年以上の実務経験を持つ。現在は住宅・不動産分野に特化したライターとして活動し、空間設計や住宅性能、都市開発に関する知見をもとに、高い専門性と信頼性を兼ね備えた記事を多数執筆している。


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