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牧場で赤いCX-5をガブリ…結婚後、ジープに乗り換えた男性を待っていた“二度目の悲劇”

  • 2026.9.5
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出典:PIXTA(※画像はイメージです)

知人のAさんから聞いた、少し不思議でクスッと笑える愛車の体験談をご紹介します。大切にしていた赤いCX-5で恋人と牧場を訪れたAさんでしたが、一頭の黒い馬が予想外の行動に出たことで事態は一変します。さらに数年後、車を乗り換えたAさんに、再び同じような出来事が降りかかることに…。

愛車と過ごす穏やかな休日と、恋人への気遣い

Aさんは30代後半の男性で、真っ赤なマツダのCX-5を我が子のように大切に扱い、乗っていました。週末の洗車は欠かさず、ボディについたごくわずかな小傷にすら敏感になるほど、その車には深い愛情を注いでいたそうです。単なる移動手段という枠を超えて、CX-5はAさんにとって、人生のさまざまな景色を共に楽しむ最高の相棒でした。時間を見つけては全国各地へ愛車を走らせ、充実したドライブライフを送っていたといいます。

そんな車好きのAさんには、現在の奥様である当時の恋人がいました。彼女の趣味が乗馬であったことから、ある夏の日、Aさんは彼女を喜ばせるために、とある広大な牧場へと向かいます。美しい緑が広がる自然のなかを軽快に走り抜け、無事に目的地へと到着しました。

そこは馬の姿をとても近くで見ることができる環境が整っており、のんびりと過ごす動物たちを前に、彼女は心から喜んでくれたそうです。その無邪気な笑顔を見て、Aさん自身も遠くまで長時間運転してきて本当によかったと、満ち足りた気持ちに包まれていました。

のどかな風景のなか、ゆっくりと近づいてきた黒い影

牧場の穏やかで平和な空気に包まれ、二人は車から少し離れてリラックスした時間を過ごしていました。しかし、そんな幸福な空間のなかで、ふと視界の端に何かが動くのを感じたそうです。一頭の黒い馬が、駐車してあるAさんの赤いCX-5へ向かって、ゆっくりとした足取りで歩み寄ってきたのです。

最初は、これだけ多くの人が訪れる場所なのだから、観光客や周囲の環境にすっかり慣れている馬がただ散歩しているだけなのだろうと、Aさんは深く考えていませんでした。彼女との楽しい会話を続けながらも、まさか車を蹴ったり危害を加えたりすることはないだろうと、状況を少し楽観視していたそうです。

ところが、黒い馬は歩みを止めることなく、少しずつ、そして確実に赤い車体との距離を縮めていきます。最初は微笑ましく見守っていたAさんも、その様子を横目で追い続けているうちに、ほんの少しだけ不穏なざわつきを覚え始めました。いくら人間に慣れているとはいえ、大型の動物が大切な愛車に無警戒に近づいていく状況は、車好きにとって決して心穏やかでいられるものではなかったようです。

ボンネットに残された歯形と、強がる男の複雑な胸中

さすがに少し近すぎるのではないか。そう不安に駆られ、Aさんが様子を見るために車の方へ駆け寄ろうとしたまさにその瞬間、信じられないような光景が目に飛び込んできました。

なんと、その黒い馬がCX-5の美しいボンネットに顔を近づけ、突然ガブリとかじり始めたのです。

Aさんが驚きのあまり立ちすくんでいると、幸いにも黒い馬は少しかじっただけで満足したのか、自ら悠然とその場から去っていきました。しかし時すでに遅く、丁寧に磨き上げられていたボンネットにはくっきりと馬の歯形が残り、一部の塗装も剥がれ落ちていたのです。これにはAさんも、頭の中が真っ白になり、言葉を失うほどの大きなショックを受けたといいます。相手は悪気のない動物であり、その場で怒りをぶつけるわけにもいきません。ただ目の前の生々しい傷を見つめながら、呆然とするしかありませんでした。

一方、隣にいた彼女もまた、自分の趣味に付き合わせたせいで大切な車が傷ついてしまったと、ひどく気にして落ち込む様子を見せていました。そこでAさんは、内心では泣きたいくらいだったにもかかわらず、「これくらいは全く大丈夫ですよ」と、無理に明るい笑顔を作って見せたそうです。せっかくの楽しい旅行の雰囲気を壊したくないという、Aさんなりの必死の気遣いでした。

時を経て笑い話に変わった思い出と、新たな愛車

そんなほろ苦くも衝撃的な牧場での出来事から数年が経ち、Aさんは当時の彼女と無事に結婚して夫婦になりました。そして、長年連れ添ったCX-5は手放す時期を迎え、新しい愛車として屈強なSUVであるジープを迎え入れることになったそうです。

車が新しくなっても、あの日のショックな出来事は夫婦の間で時折話題に上っていました。年月が流れたことで、「あの時は本当に驚いたし焦りましたね」と、二人で笑い合える温かい思い出へと少しずつ変化していったのです。車に残った生々しい歯形は、当時のAさんにとっては一刻も早く直して消し去りたい傷でした。しかし、後から振り返ってみれば、ほかの誰にも真似できない、夫婦だけの特別な旅行の記憶の証になっていたのかもしれません。

悲劇的なアクシデントも、時間が経てば笑い話に昇華される。これで物語は綺麗に完結するはずでした。しかし、Aさんの身には、まるで喜劇の続きのような信じられない展開が待っていたのです。

車が変わっても続く不思議な縁

ある日、Aさん夫婦は新しい愛車のジープに乗って、再び馬のいる場所を訪れる機会がありました。

「もうあの時のような赤い車ではないし、車種も頑丈なジープに変わっているから今度は安心だろう」

そう思っていたAさんの予想は、見事に裏切られることになります。

なんと今度は、新しく乗り換えたばかりのジープのフロントグリルを、またしても別の馬に噛まれてしまったのです。CX-5のボンネットの次はジープのフロントグリルという、まさかの二度目の被害でした。これには奥様も「車を替えてもまた噛まれてしまうのですね…」と、あきれながらも声を出して笑うしかなかったそうです。

もちろんAさん自身も、さすがに二度目となればもう怒る気力すら湧かず、ただただ苦笑いをして事実を受け入れるしかありませんでした。どうやら、赤い色に惹きつけられたわけでも、CX-5という特定の車種だったから狙われたわけでもないようです。理由は定かではありませんが、Aさんの選ぶ愛車は、なぜか馬にとって非常に魅力的に映り、ついかじってみたくなる不思議なオーラを放っているのかもしれません。

災難続きではあるものの、結果として夫婦の歴史には、温かくてクスッと笑える素敵なエピソードがまた一つ刻まれることになりました。



ライター:Masaki.N
自動車メーカーで車体開発エンジニアとして設計・先行開発に携わった後、マーケティング/市場リサーチ領域で商品導入・訴求設計にも従事。さらに自動車サブスク系ITベンチャーでマーケティングを担当し、ユーザー視点のコミュニケーション設計を経験。現在は自動車ライターとして、新車情報、技術解説、モデル比較、中古車相場、維持費、業界動向まで幅広く執筆。SEO記事・コラム・インタビューなど媒体横断で制作し、専門知識を生活者の言葉に翻訳して「買う/持つ」の判断を支援します。加えて、カスタムを含む実車取材・体験を通じて得た一次情報を記事に落とし込み、机上の知識にとどまらない“現場感”のある解説を強みとしています。


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