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『口臭が強くなりやすい人』には“舌の状態”に共通点があった。歯科医が明かす、当てはまったら要注意な「4つの特徴」とは?

  • 2026.9.1
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

朝起きたときや人と話すとき、ふと自分の口臭が気になったことはありませんか?「もしかして舌が白くなっているからかも」と、鏡の前で必死に舌を磨いている方もいるかもしれません。

しかし、なぜ口が臭うのか、その本当の原因や正しい対策をご存じでしょうか。良かれと思ってやっているそのケアが、実は逆効果になっている可能性もあります。

今回は、歯科医師の鷹巣多紀さんに、口臭が発生するメカニズムや舌のセルフチェック方法、そして明日から実践できる正しいお口のケア方法について詳しく解説していただきました。

口臭の正体は「舌苔」?舌が白くなる原因とセルフチェックの目安

---口臭が気になるとき、舌が白くなっていることが多い気がします。なぜ舌の汚れが口臭につながるのでしょうか?また、どのような状態に気をつければよいですか?

鷹巣 多紀さん:

口臭の主な原因は、舌の表面にたまった汚れを細菌が分解し、においの強いガスを発生させることです。唾液の減少や口呼吸、ストレスは、それ自体が直接においを発するわけではありません。舌を乾燥させたり、汚れを残りやすくしたりすることで、細菌が活動しやすい環境をつくります。

舌の表面は一見平らに見えますが、実際には『乳頭』と呼ばれる細かな突起や溝があります。そこに、はがれ落ちた粘膜の細胞、食べかす、唾液に含まれるたんぱく質、細菌などが重なったものが『舌苔(ぜったい)』です。

とくに舌の奥は凹凸が深く、空気が届きにくいため、酸素の少ない場所を好む細菌がすみ着きやすくなっています。こうした細菌が舌苔に含まれるたんぱく質やアミノ酸を分解すると、硫化水素やメチルメルカプタンなどの『揮発性硫黄化合物』が発生するのです。硫化水素は腐った卵のようなにおい、メチルメルカプタンは腐ったキャベツや玉ねぎのような、刺激のあるにおいとして感じられることが多いです。これらが混ざることで、いわゆる口臭らしい強いにおいになります。舌苔が多い人ほど、実際に測定されるメチルメルカプタンなどの口臭成分も多い傾向が報告されています。

唾液には、細菌や食べかすを洗い流し、舌の表面を清潔に保つ働きがあります。睡眠中や脱水時、一部の薬の副作用などで唾液が減ると、その洗浄作用が弱まり、舌苔が厚くなりがちです。また、長時間何も食べない生活でも、噛むことによる唾液の刺激や舌表面の自然な清掃が少なくなります。口呼吸が続けば舌から水分が蒸発し、さらに汚れがこびり付きやすくなるでしょう。ストレスも唾液量や口臭成分に影響する可能性はありますが、『ストレスがあれば必ず口臭が強くなる』と単純に結び付けることはできません。

鏡で舌を見るときは、次の4つの変化が目安になります。

  1. 舌の奥に、白色から黄白色の舌苔が厚く付いている
  2. 舌苔が広い範囲に付着している
  3. 舌につやがなく、粘つきや深い溝が目立つ
  4. 表面が毛羽立ち、茶色や黒っぽく見える

4つ目は、『毛舌(もうぜつ)』と呼ばれる状態のことがあります。舌表面の細かな突起がうまくはがれ落ちず、細菌や食べかす、色素などがたまったものです。口の乾燥や喫煙、コーヒー・お茶、抗菌薬の使用、やわらかい食事への偏りなどが関係し、口臭や味の違和感を伴う場合もあります。見た目に驚くかもしれませんが、多くは一時的な変化です。

ただし、舌の色だけで口臭の強さを判断することはできません。健康な舌にも、薄い白色の舌苔はみられます。反対に、こすっても取れない白色や赤色の部分、痛み、出血、ただれ、しこりなどがある場合は、単なる舌苔ではない可能性があります。無理に削らず、歯科や口腔外科で確認してもらってください。

また、口臭の原因は舌だけとは限りません。歯周病やむし歯、歯と歯の間に残った汚れなどが関係しているケースも多いため、舌の見た目だけで原因を決めつけないことが大切です。」

白い汚れを落としたい!舌をゴシゴシ磨いても大丈夫?

---舌が白いとつい必死に磨いてしまいますが、「磨きすぎると口臭が強くなる」というのは本当でしょうか?正しい舌の清掃方法を教えてください。

鷹巣 多紀さん:

「正確には、『舌を磨きすぎると、必ず口臭が強くなる』と断定できるほどの研究結果はありません。はっきりしているのは、回数や力を増やしても効果が比例して高まるわけではなく、舌の粘膜を傷つけるおそれがあるという点です。

舌は歯のように硬くなく、やわらかな粘膜で覆われています。白さを完全に消そうとして1日に何度もこすったり、ブラシを強く押しつけて往復させたりすると、ヒリヒリした痛みや小さな傷、出血、吐き気などを起こすことがあります。

傷そのものが口臭を強めるとまでは言い切れません。ただ、痛みや出血が出るほど磨くのは適切なケアとはいえず、そのまま続ければ舌の状態を悪くするおそれがあります。正常な舌にも薄い舌苔はあるため、すべて取り切ろうとしなくて大丈夫です。

舌清掃は1日1回を目安に、舌ブラシや舌クリーナーを軽い力で使います。舌を前に出し、無理なく見える範囲の奥から手前へ、数回ゆっくり動かしてください。前後にゴシゴシ往復させず、白い舌苔が少し薄くなったところで終えて十分です。毎回、舌が赤くなるまで磨く必要はありません。

ケアの途中で痛みや出血が出たら、いったん中止して舌を休ませましょう。数日たっても治らない、白い部分がこすっても取れない、ただれやしこりがある場合は、清掃不足とは別の問題も考えられます。さらに磨くのではなく、歯科で診てもらうことをおすすめします。」

明日から始められる!口臭を防ぐための正しいセルフケア習慣

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

---口臭を予防するために、明日から取り入れられる具体的なお口のケア方法を教えてください。

鷹巣 多紀さん:

「明日から始めるなら、最も大切なのは『舌だけを徹底的に磨くこと』ではありません。やさしい舌清掃と、歯・歯ぐき・歯の間のケア、乾燥対策を組み合わせることが基本です。口臭は舌苔だけでなく、歯周病やむし歯、歯の間に残った汚れから生じる場合もあるため、舌だけきれいにしても十分とは限りません。

まず、朝のケアに1日1回の舌清掃を取り入れてみてください。鏡を見ながら舌を前に出し、水で濡らした舌ブラシや舌クリーナーを、無理なく届く範囲の奥に当てます。そこから手前へ軽く引き、器具を水で洗いながら数回繰り返しましょう。舌苔が少し薄くなれば終了です。舌全体を完全なピンク色にする必要はなく、痛みや出血がない力加減を優先してください。

歯はフッ化物配合歯みがき剤を使って1日2回磨き、フロスや歯間ブラシによる歯間清掃を1日1回加えます。とくに歯ぐきから出血する、腫れている、フロスを通したときに強いにおいがする場合は、舌よりも歯周病や磨き残しへの対応が必要かもしれません。

口が乾きやすい方は、水を少量ずつ飲む、食事をよく噛む、必要に応じて砂糖を含まないガムを噛むといった方法も役立ちます。鼻づまりで口呼吸が続いているなら、舌磨きだけで補おうとせず、耳鼻咽喉科への相談も検討してください。喫煙や飲酒を控えることも、乾燥や口臭への対策になります。

洗口液や口臭タブレットは、一時的ににおいを目立ちにくくすることはありますが、原因そのものを取り除くものではありません。セルフケアを2〜3週間続けても口臭が改善しない、歯ぐきの出血や強い口の乾きがある、舌の変化が2週間以上続く場合は、歯科医院で舌苔・歯周病・むし歯・唾液の状態を確認してもらうと安心です。

正しいお口のケアを組み合わせて、健康的な息を保とう

口臭を気にするあまり、舌をゴシゴシと力任せに磨いてしまうのは、かえって舌の粘膜を傷つける原因になります。本当に大切なのは、舌だけを徹底的にきれいにすることではなく、やさしい舌清掃、丁寧な歯磨きや歯間ケア、そしてお口を潤す乾燥対策をトータルで組み合わせることです。

洗口液やタブレットは一時的な対処に過ぎません。まずは明日から、朝のやさしい舌清掃と毎日の丁寧なハミガキ、そしてこまめな水分補給を始めてみましょう。もしセルフケアを2〜3週間続けても改善しない場合は、お口全体の健康のためにも、一度歯科医院で診察を受けてみるとよいでしょう。


監修者:鷹巣 多紀
大学病院歯科口腔外科にて研修後、一般歯科にて勤務。現在は1児の母として子育てと仕事に奮闘しています。
歯科医師ママkiki|note:https://share.google/uUYsDiSMnkNKZCrOw X:https://x.com/kikimama0405

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