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口内炎を繰り返す40代男性→「疲れがたまっているだけ」市販薬を塗って放置するが…3ヶ月後、医師から告げられた“意外な病気”

  • 2026.8.15
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。歯科医師の鷹巣多紀です。

忙しい時に口内炎ができても、「疲れがたまっているだけ」と市販薬で済ませる方も多いのではないでしょうか。

よくある口内炎と全身の病気に伴う変化は、見た目だけで区別できない場合も多いです。繰り返し方と、口以外の症状を一緒に伝えることが手がかりになることがあります。

Aさんに起きたこと

Aさんは40代男性の会社員です。頬の内側に小さな口内炎ができ、市販薬を使うと数日で痛みが軽くなりました。

ところが、治ったと思う頃に別の場所へ新しい口内炎が現れます。3ヶ月ほど同じことを繰り返しましたが、「仕事が忙しいからだ」と考えていました。

同じ頃、会議の前後に腹痛があり、軟便が続く日も増えていきます。Aさんは胃腸も仕事のストレスで乱れていると思い、口の症状とは結びつけませんでした。

定期受診で歯医者を訪れた日、歯科医師は頬と唇の内側に複数の潰瘍があることを確認します。下唇にも腫れがあったため、口内炎ができる場所や回数、治るまでの日数、発熱や体重の変化について尋ねました。

「最近、腹痛や下痢はありませんか」と聞かれ、Aさんは初めて軟便が続いていることを伝えます。口の所見だけでは原因を決められないため、歯医者では潰瘍の場所や唇の腫れを記録し、消化器内科での確認を勧めました。

その後受診した医科では、血液や便の検査、内視鏡検査などが行われました。その結果、消化管に慢性的な炎症が起こる「クローン病」と診断されたのです。

クローン病で口に変化が出ることもある

クローン病は、口から肛門までの消化管のどこにでも炎症が起こりうる病気です。主な症状には腹痛や下痢、発熱、体重減少、貧血などがあります。

口では、アフタ性潰瘍(浅く丸い口内炎)、唇の腫れ、粘膜の敷石状変化(小さな隆起が並ぶ状態)、歯茎の変化などがみられる場合があります。ただし、一般的な口内炎にも似ており、口の所見だけでクローン病とは判断できません。

口内炎には外傷、栄養状態、感染症、ほかの全身疾患など多くの原因があります。腹部症状、血液や便の検査、内視鏡、画像検査などを組み合わせ、医科で診断を進めます。

繰り返し方と腹部症状を記録する

Aさんは医科の治療を続けながら、歯医者でも口内炎の数や場所、唇の腫れを確認することになりました。痛みがある時期は、やわらかい歯ブラシで傷を避けながら磨く方法を相談し、食べにくさが強いときは主治医や栄養の専門職にも伝えています。

歯医者では、①同じ場所か別の場所か、②何日で治るか、③何回繰り返したか、④唇や歯茎の腫れ、⑤腹痛、下痢、血便、発熱、体重減少の有無を伝えてください。口内炎の写真と、腹部症状が出た日を記録しておくと、経過を説明しやすくなるでしょう。

口内炎とおなかの症状を一緒に伝える

Aさんのように、口内炎と腹痛を「日常の疲れ」と別々に受け止めてしまうケースは少なくありません。

しかし、お口の中に現れる変化は、全身や消化器の不調を知らせる大切なシグナルである可能性があります。

「口内炎が何度もできる」「腹痛や下痢が続いている」といった症状が重なるときは、市販薬だけで長引かせず、ぜひお口とお腹の両方の経過を歯医者や医師へ伝えてみてください。身近な歯医者さんでの一言が、身体からの SOS に気づく大きなきっかけになるかもしれません。


執筆・監修:鷹巣 多紀
大学病院口腔外科にて研修後、一般歯科にて勤務。現在は1児の母として子育てと仕事に奮闘しています。

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