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「だまされたかも…」詐欺で300万円を振り込んだ70代母→慌てて税理士に相談するが…返ってきた“予想を裏切る回答”に絶句。

  • 2026.8.16
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは!税理士・元国税調査官の神崎遊です。

近年、特殊詐欺の被害が深刻化しています。税理士事務所にも「災害には税金の控除があるけど、詐欺に遭ったときにもあるかもしれない」と考えて相談に来られる方がいます。

しかし、「災害・盗難」と「詐欺」の税務上の扱いは異なることをご存じでしょうか。

空き巣被害では税金が戻ったのに…

44歳の女性・Tさん(仮名)は都内で夫と2人の子どもとの4人暮らし。不動産会社を経営する70歳の母も近所に住んでおり、会おうと思えばすぐに会える距離です。

家事とパートで忙しく、「最近、母のところに顔を出せていない」と思っていた矢先のことでした。

「私、だまされたかも…」

母から、沈んだ声で電話がかかってきたのです。

母の話によると、弁護士を名乗る人物から連絡があり、「娘が職場で横領をした。示談金として300万円をすぐ支払わなければ被害届を出す」と言われたとのこと。

「それで、まさか払ったの?」

「だって、その日のうちに払うように言われたから…」

お金を振り込んだ後、弁護士と名乗る人物に連絡しようとしたものの、電話はつながらず、だまされたことに気がついたそうです。

被害に遭ってから半年後、事件の進展はありませんでした。そんななか、Tさんは、母が10年前に空き巣被害に遭ったことを思い出したそうです。「空き巣被害に遭ったときは、確定申告したら税金が戻ってきた。今回も税金が戻ってくるのでは?」と考え、慌てて母と一緒に税理士に相談することにしました。

詐欺被害では雑損控除が使えない?

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「結論から申し上げますと、詐欺被害では、税金が戻ることは期待できません」

予想を裏切る回答に困惑するTさん親子。

「以前、空き巣被害に遭ったときは税金が戻ってきましたよ」

「空き巣被害で税金が戻ってきたのは、雑損控除が適用できたからですね。残念ですが、詐欺被害は対象になりません」

「空き巣被害は控除対象になるのに、なぜ詐欺被害は対象外なのでしょうか?」

釈然としないTさん親子に、税理士から説明がありました。

雑損控除が使えるケース、使えないケース

雑損控除とは、災害や盗難などで生活に必要な財産に損害を受けた場合に、一定額を所得から差し引ける制度です。医療費控除と同じ「所得控除」のひとつで、適用されると所得税や住民税の負担が軽くなる可能性があります。

雑損控除の対象となるのは以下の5つの場合です。

  • 震災、風水害、冷害、雪害、落雷など自然現象の異変による災害
  • 火災、火薬類の爆発など人為による異常な災害
  • 害虫などの生物による異常な災害
  • 盗難
  • 横領

盗難、横領の犯罪被害が対象になるのであれば、詐欺被害も対象になると勘違いするケースは少なくありません。

雑損控除の対象となる損失は、法律上、「災害」「盗難」「横領」によるものに限られています。

詐欺では、被害者自身がだまされてお金を渡したり振り込んだりしていますが、税務上は「盗難」や「横領」には該当しません。そのため、同じ犯罪被害であっても、原則として雑損控除の対象外となります。

なお、雑損控除は原因だけでなく、損害を受けた資産にも要件があります。事業用資産や、別荘・高額な貴金属などの「生活に通常必要でない資産」は対象外であることにも注意が必要です。

詐欺被害防止のために

Tさん親子は「不審な連絡があったときは、まず家族に確認をする」と決めたそうです。詐欺被害は税制上の救済もありません。

だからこそ、被害を未然に防ぐために、少しでも「あれ?何かおかしいな」と感じたときは、すぐに警察や身近な人に相談しましょう。


執筆:税理士・元国税調査官 神崎遊

国税組織で12年間勤務し、法人税調査を中心に200件以上の税務調査に従事。現在は「ゆとり税務会計」を運営し、中小企業・個人事業主の税務支援を行っている。

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