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「家族に迷惑をかけずに済む」銀行口座を一つにまとめた70代女性→死後、遺された家族を待ち受けていた“900万円”の大誤算

  • 2026.8.24
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

みなさま、こんにちは。元銀行員の金融ライター・池田です。

家族が亡くなった際、死亡した人の口座からお金を下ろすためには銀行で相続手続きを踏まなければなりません。

複数の銀行口座にお金を分けていると手続きの手間が増えるため、「家族のためにも終活として口座をまとめておこう」と考える人も多いでしょう。

しかし、大切なのは「口座をまとめること」ではなく、「どこにお金があるのかを把握できるようにすること」です。

今回は、家族に迷惑をかけまいと銀行口座を整理したものの、想定外の誤算に襲われた女性の事例を紹介します。

「相続手続きが大変になるから」銀行口座をまとめた女性

70代の女性・Aさん(仮名)は、終活を意識して自宅の片付けを始めていました。

貴重品を保管している引き出しを開けると、中にはAさん名義で5冊もの通帳が。

「父が亡くなったとき、あちこちの銀行で相続手続きをするのが大変だったことを思い出しました。私に万が一のことがあったら家族に手間をかけてしまうので、使っていない銀行口座を解約して、ひとつの口座にまとめようと思います」

Aさんが日常的にお金の出し入れをしているのは年金が振り込まれている口座のみで、他はほとんど動かしていない状態でした。

Aさんは使っていない口座をすべて解約し、年金振込があるメイン口座にお金をまとめることに。

「銀行での相続手続きは口座ひとつ分で完結できるし、これで家族に迷惑をかけずに済む」

そう安心していたそうです。

Aさんの死後、家族を襲った誤算

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

4年後、Aさんが死亡して相続が発生。相続人はAさんの娘2人と息子1人の3人でした。

「口座をひとつにまとめておいた」と聞いていたAさんの息子が通帳を確認すると、残高は約2,000万円。

長年一人暮らしをしていたAさんを支えていたのは息子であったことから、息子が約800万円、娘2人が約600万円ずつ相続することで話がまとまりました。

しかしその5か月後、Aさんの息子が遺品を整理していると、Aさん名義の通帳と定期預金証書が新たに見つかります。

「引越し前に住んでいた隣県の地方銀行のもので、合わせて900万円ほどありました。貴重品をまとめていた引き出しとは別の棚から出てきたので、母自身も忘れていたみたいです。もともと遺産分割の話し合いが難航しており、やっとすべて終わったと思っていたのに…。もしかしたら他にも口座が出てくるかもしれないので、早めに遺品整理を進めてみます」

その後、家の中を隅々まで探しましたが、他の口座が見つかることはなかったそうです。

新しく見つかった900万円の分割方法については、これから再度相談すると話されていました。

大切なのは「どこにお金があるか」を一覧でまとめること

Aさんのように、死後に本人も把握できていない口座が見つかった…という事例は少なくありません。

今回のケースでは相続税は発生しなかったものの、後から口座が見つかることで、相続税額が変わって修正申告が必要になるケースも。

「昔作った銀行口座を忘れていた」という事態を避けるためには、早いうちからお金の置き場所をまとめた「財産目録」を作成しておくのが有効です。

預貯金や有価証券、保険などを一覧でまとめておけば、自分自身はもちろん、遺された家族もすぐに財産を把握できます。

「口座を減らせばOK」と考えるのではなく、情報を整理して残しておきましょう。


監修・執筆:元銀行員・ikebu

元銀行員の金融・法律ライター。一種外務員資格(証券外務員一種)、行政書士資格を保有。大学では法学部・法律学科に在籍し、卒業後は地方銀行に入行。個人リテール業務において、投資信託・生命保険商品の販売を中心とする資産運用のサポートのほか、住宅ローンや相続などの幅広い業務に携わる。法人営業では、事業性融資や法人向けの運用商品販売を担当。現在は金融・法律ジャンルを中心にライターとして活動。銀行員時代の経験や保有資格を活かし、専門的な内容を分かりやすく丁寧に解説することを得意とする。

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