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「大手メーカーなら安心」3,500万円で住宅購入しようとした50代夫婦→工務店で相見積もりを取ると…判明した“700万円”の誤算

  • 2026.8.28
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。FPで住宅取得のお金の相談を受けている柴田です。

家を建てるとき、多くの人が最初に向かうのは大手ハウスメーカーのモデルハウスです。あのきらびやかな空間には、夢がありますよね。

ただ、その夢の価格の内訳を知ったうえで選んでいる人は、意外と少ないのです。今回は契約直前で立ち止まった50代のAさんご夫婦のお話です。

モデルハウスの感動のまま、契約直前へ

Aさん(50代女性)ご夫婦は、老朽化した自宅の建て替えを決め、住宅展示場へ。

大手ハウスメーカーのモデルハウスに感動し、とんとん拍子に話が進んで、見積もりは約3,500万円。「大手メーカーなら品質も保証も安心だから」と、契約書に判を押す直前まで来ていました。

そこで、たまたま建て替え経験のある友人から「地元の工務店にも見積もりを取った?」と聞かれます。半信半疑のまま、間取り・断熱性能・設備のグレードをそろえた同じ要望書を地元の工務店に渡してみると、出てきた見積もりは約2,800万円。同じような家で700万円の差。見積書を並べたAさんは、しばらく言葉が出なかったそうです。

価格差の正体は「家そのもの」ではない

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

相談に来られたAさんに、私は価格差の構造をお伝えしました。大手ハウスメーカーの価格には、テレビCMなどの広告宣伝費、全国の展示場のモデルハウス維持費、営業スタッフの人件費といった経費が上乗せされています。あの豪華なモデルハウスの費用も、めぐりめぐって建てる人が負担しているわけです。

そして「大手=品質が高い」とも限りません。大手で契約しても、実際の施工を担うのは地域の下請け工務店であることが少なくありません。地元で何十年も続く工務店には、施工品質もアフター対応も大手に劣らないところがあります。腕の良い工務店に直接頼めば、中間の経費が乗らない分だけ安くなる。仕組みとしては、それだけの話なのです。

ただし「工務店なら正解」でもない

一方で、工務店側にも注意点はあります。会社の規模が小さい分、倒産リスクや、設計提案力・デザイン力のばらつきは現実にあります。

見極めのポイントは、①完成保証制度(工事途中で倒産しても保証される仕組み)に加入できるか、②地元での施工実績と築年数の経った施主の評判、③第三者機関の検査を受け入れているか。加えて、構造や断熱の仕様について質問したときに、具体的な答えが返ってくるかどうかも良い判断材料です。ここが確認できる工務店なら、安さは「手抜きの安さ」ではなく「経費構造の安さ」だと判断できます。

比較のコツはただ一つ、同じ要望書を複数社に渡すことです。ハウスメーカーだけ、工務店だけで検討すると比較軸がなく、営業トークの上手さで決まってしまいます。

おもしろいもので、相見積もりを取っていると伝えるだけで、大手側から値引きや仕様の提案が出てくることも珍しくありません。比較は、交渉の材料にもなるのです。数百万円の建築費の差は、住宅ローンの利息まで含めるとさらに膨らみます。「安心料」と呼ぶには、少々高すぎる金額です。

まとめ

今回のお話は、大手が悪い、工務店が正しいという話ではありません。Aさん夫婦も最終的には、保証内容まで見比べたうえで工務店を選びました。「大手じゃないと心理的に嫌だ!」という方は、コスト負担を飲んだうえで、大手を選択する価値はあります。

大事なのは、内訳を知ったうえで比較して選ぶことです。迷ったときは、国土交通大臣指定の相談窓口「住まいるダイヤル」に電話し、契約前の見積もり内容や契約内容について無料で専門家に相談できます(※書類送付による見積チェックサービスは主にリフォーム工事が対象です)。人生最大の買い物こそ、相見積もりは欠かせません。展示場の感動は、いったん持ち帰って冷ましてからでも遅くありません。


執筆・監修:柴田 充輝
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,500記事以上の執筆実績あり。

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