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「これ以上働くと夫の控除が減る」パート収入を“年150万円”で抑えてきた50代妻→2年後、夫の年末調整で知った“予想外の事実”

  • 2026.8.29
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関でマネージャーを務めながら、家計のご相談に日々向き合っている中川です。

今回ご紹介するのは、パート収入を年150万円で抑え続けてきた50代のAさんの体験談です。「これ以上働くと夫の控除が減る」と信じ、職場から勤務日を増やしてほしいという相談も断ってきました

ところがその基準は、この2年で二度も変更されていたのです。

今回は、税制改正によって変わった「年収の基準」を知り、これまでの働き方を見直すことになったAさんの体験談をご紹介します。

「150万円を超えないように」毎年調整していた

Aさん(50代)は、スーパーで週4日のパート勤務をしています。

収入は年150万円程度。「これを超えると夫の配偶者特別控除が減る」と聞いてから、毎年11月になるとシフトを減らして調整してきました。

職場から「もう1日入ってほしい」と言われても、断るのが常です。

「働きたい気持ちはあるけれど、夫の手取りが減っては意味がない」

Aさんはそう考えていました。

知らない間に「150万円」は「169万円」になっていた

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

旦那さまの年末調整の書類を見ていたAさんは、記載されている金額が以前の記憶と違うことに気づきました。

配偶者特別控除が満額の38万円になるのは、配偶者の合計所得金額が95万円以下のときです。この95万円という基準は変わっていません。

変更されたのは、給与所得控除のほうでした。給与所得控除とは、会社員やパートで働く方の給与収入から一定額を差し引き、税金の計算対象となる所得を求める仕組みです。

給与所得控除の最低保障額が、令和7年度の税制改正で55万円から65万円に、令和8年度の税制改正で65万円から74万円に引き上げられたのです。

差し引ける額が増えれば、同じ合計所得95万円に対応する給与収入は上がります。

  • 令和6年分まで:給与150万円まで(95万円+55万円)
  • 令和7年分:給与160万円まで(95万円+65万円)
  • 令和8年分:給与169万円まで(95万円+74万円)

Aさんが守ってきた150万円は、2年前の基準でした。いまは169万円まで働いても、旦那さまの控除は満額の38万円のままです。

ただしこの38万円は、控除を受ける旦那さまの合計所得金額が900万円以下の場合の額です。900万円超950万円以下なら26万円、950万円超1,000万円以下なら13万円と、旦那さま側の所得によっても変わります。

Aさんの思っていた150万円と実際の基準である169万円の差は19万円。Aさんの場合、これまでより年19万円多く働いても、旦那さまの控除額は変わらなかったのです。

169万円を超えても控除はゼロにならない

もうひとつ、Aさんが誤解していたことがありました。

169万円を超えたとたんに控除がゼロになるわけではありません。給与収入207万円までは、控除額が段階的に下がっていく仕組みです。

たとえば給与174万円なら36万円、179万円なら31万円、184万円なら26万円といった具合に、少しずつ減っていきます。

ただし、増えた給与がまるごと手取りになるわけではありません。Aさん自身の所得税と住民税は増えますし、勤務先の社会保険に加入していれば、社会保険料の計算のもととなる標準報酬月額が上がって保険料も変わります。

確認しておきたい二つのこと

ひとつは、旦那さま側の所得です。配偶者特別控除の額は旦那さまの合計所得金額によっても変わり、1,000万円を超えると受けられません。

もうひとつは、社会保険です。Aさんは年150万円で働いており、すでに勤務先の健康保険と厚生年金に加入しています。旦那さまの社会保険の扶養からは外れているため、今回の話は税金の扶養だけに関わります。

一方、勤務先の社会保険に入っていない方には、原則年収130万円未満という別の基準があります。こちらは税金とは別の制度で、今回の改正による変更はありません。

「年収の壁」は税金と社会保険で基準が異なります。働く時間を増やす前に、ご自身がどの基準に当てはまるのかを確認しておきましょう。


執筆・監修:中川 佳人
金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。

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