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「1,200万円で売れるなら安心」“月7.5万円の家賃”でリースバックを契約した70代女性→7年後、待ち受けていた“想定外の事態”

  • 2026.8.29
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは、マネーシップス代表 ファイナンシャルプランナー/IFAの石坂です。

「自宅を売ってまとまったお金を受け取り、その後も家賃を払いながら同じ家で暮らせる」。こうした特徴を持つのがリースバックです。

老後資金を確保する方法の一つに見えますが、売却後は自宅の所有者ではなく借主となります。契約時には無理なく払える家賃でも、その負担が将来も同じとは限りません。

今回は、70代女性の事例から、リースバックを利用する前に確認しておきたいポイントを見ていきます。

「1,200万円で売れるなら安心」月7万5,000円で始めたリースバック

70代のNさん(仮名)は、夫を亡くしてから一人で自宅に暮らしていました。

収入の中心は年金で、毎月の生活費に加えて固定資産税やマンションの管理費などの支払いもあります。数年前から預貯金を少しずつ取り崩す生活が続き、「このままでは老後のお金が足りなくなるのでは」と不安を感じるようになっていました。

とはいえ、住み慣れた自宅を売って引っ越すことには抵抗がありました。長年付き合いのある近所の人も多く、買い物や通院にも慣れています。70代になってから新しい地域で暮らし始めることにも負担を感じていました。

そんなときに知ったのがリースバックでした。

自宅を売却してまとまった資金を確保し、その後は家賃を払うことで同じ住宅で暮らせる仕組みです。

提示された自宅の売却価格は約1,200万円。売却後の家賃は月7万5,000円でした。

「約1,200万円で自宅を売却できて、家賃も月7万5,000円なら、今の生活を大きく変えずに済みそうだ」

そう考え、Nさんは契約を決めました。

売却後も暮らしそのものはほとんど変わりませんでした。同じスーパーで買い物をし、これまでと同じ病院へ通い、近所の知人との付き合いも続きました。

月7万5,000円なら年間家賃は90万円です。住み慣れた家を離れずに済み、売却代金も得られたことで、Nさんは当面の老後資金への不安が和らいだように感じていました。

7年後、「月10万5,000円に見直したい」と言われ…

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

ところが、契約から約7年後、貸主側から家賃を月10万5,000円程度に見直したいとの話が出ました。

これまでとの差額は月3万円。年間では36万円の負担増になります。

月7万5,000円なら払えると考えていたNさんにとって、月10万円を超える住居費は想定していませんでした。

さらに、7年間に支払った家賃を単純計算すると、

7万5,000円×12カ月×7年=630万円

となります。

売却時には約1,200万円という大きな金額に目が向いていましたが、その後も同じ家で暮らすためには家賃を払い続ける必要があります。

仮に家賃が月10万5,000円になれば、年間家賃は126万円です。

もちろん、自宅の売却代金を家賃だけに使えるわけではありません。食費や光熱費、医療費なども必要であり、年齢を重ねれば予想していなかった支出が増えることもあります。

Nさんが当初思い描いていた「この家で暮らしながら、1,200万円を老後資金にできる」という見通しは、7年後には大きく変わっていました。

リースバックでは、売却時に「いくら受け取れるか」だけでなく、「その後、何年住み、家賃をいくら支払う可能性があるのか」まで考えておく必要があります。

リースバックは「売った後」まで確認する

リースバックでは、自宅を現金化した後も、賃貸借契約を結ぶことで同じ住宅で暮らせる場合があります。

ただし、売却後は所有者ではなく借主です。家賃だけでなく、賃貸借契約の種類や契約期間、更新・再契約、家賃の金額や見直しに関する条件まで確認しておきたいところです。

特に老後に利用する場合は、「1,200万円で売れる」という入口だけで判断せず、10年、15年と暮らした場合の家賃総額まで試算しておくことが重要です。

まとまった資金を受け取れる安心感と、その後に続く住居費。この両方を見比べて判断することが大切です。


※プライバシー保護の観点から、内容を一部調整しています。

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