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「通院を減らそうかと…」高額療養費の改正ニュースに青ざめた60代男性、医師に相談して判明した“意外な事実”【FPが解説】

  • 2026.8.24
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。FPの柴田です。

社会保障制度の見直しに関するニュースが報じられる際、「自己負担が増えるのではないか」という不安を感じる方は少なくありません。少子高齢化に伴う社会保障費の増大を背景に制度の再構築が進められる中、個々の状況によって影響は異なります。

今回は、その思い込みで危うく治療を減らしかけたAさん(68歳・男性)のお話です。

見出しを見て不安が膨らんでしまったAさん

Aさんは持病があり、毎月のように通院しています。

その医療費の負担を抑えてくれているのが「高額療養費制度」。1か月の医療費の自己負担に上限を設け、超えた分が戻ってくる、医療費の負担を和らげる仕組みです。Aさんの家計は、この制度に大きく助けられてきました。

ある日、Aさんはスマホで「高額療養費の見直しで負担増へ」という見出しを目にしました。

記事の詳細までは読まず、見出しや短文を見たAさんは、「毎月通院している自分のような人間も、負担増の対象になってしまうのではないか」と強く思い込んでしまいました。

医師に相談したら、まさかの「むしろ守られる側です」

悩み深くなったAさんが診察室で「先生、通院回数を減らそうかと…」と切り出したところ、事情を聞いた医師は優しく語りかけました。「Aさん、少し落ち着いて整理してみましょう。Aさんのように長期間療養されている方は、急な負担増にならないよう据え置かれる方向ですよ」

半信半疑だったAさんは、筆者のところにも相談に来られました。お話を詳しく伺い、私の見解もお伝えしました。

「お医者様のご説明通りですね。Aさんのご状況であれば、過度にご心配なさる必要はありませんよ」。

お二人から同じ説明を受けて、Aさんもようやく安心されたご様子でした。

今回の見直しは「全員が一律に負担増」というわけではありません。医療費が膨らむ中で制度を維持するため、一部で協力をお願いする範囲がある一方で、低所得の方への配慮や、長期療養者へのセーフティネットの強化も組み込まれているのが厚生労働省の示す設計です。「負担がどう変わるか」は、療養の期間や所得区分によって異なります。

長期の療養を支える「多数回該当」

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

長期療養者を守る重要な仕組みが「多数回該当」です。直近12か月で高額療養費の対象になった月が3回以上あると、4か月目からは自己負担の上限がさらに下がります。Aさんもこの「多数回該当」の対象でした。

そして今回の見直しでは、この多数回該当の金額は据え置かれることになっています。Aさんが最も恐れていた部分こそ、守られていたのです。

さらに新しい支援も加わります。令和8年8月からは月ごとの上限に加え「年間上限」が新設され、1年間で自己負担が一定額に達した場合は超過分が還付されるため、長期療養者の負担がさらに軽くなるケースがあります。

また、令和9年8月からは年収200万円未満の課税世帯を対象に、多数回該当の金額を25%引き下げる軽減措置も予定されています。改正は段階的に進められる予定となっています。

まずは正確な状況の確認を

もちろん、所得や利用状況によっては負担が増えるケースもあります。

しかし、「見直し=全員が損をする」と決めつけて必要な治療を控えてしまうと、かえって病状が悪化し、健康面でも費用面でも大きな不利益となりかねません。

ご自身がどの区分に当たるか、多数回該当の対象かどうかは、加入している健康保険や病院の相談窓口で確認できます。ニュースで不安を感じたときは、まずは落ち着いて制度の詳細やご自身の状況を確認してみましょう。


執筆・監修:柴田 充輝
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,200記事以上の執筆実績あり。

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