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「これくらいなら大丈夫だろ」飲酒NGの観光ツアーでこっそり飲む客…全部見えていたバスガイドがとった行動は…

  • 2026.8.23
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出典:photoAC ※画像はイメージです。

元バスガイドのくろちびです。

神社で団体祈祷を受けるバスツアーでは、観光だけではなく、神主様にご祈祷していただくことを目的に参加されるお客様も多くいらっしゃいます。

そのため、ご祈祷前の飲酒は控えていただくことが大切です。しかし、バス旅行といえば道中のお酒を楽しみにされている方も少なくありません。

今回は、ご祈祷前にこっそりお酒を飲まれるお客様への対応で、私が大切にしていたことをご紹介します。

「隠れて飲んだつもり」が実は全部見えている

団体祈祷が予定されているツアーでは、出発時から「ご祈祷前は飲酒を控えてください」と必ずご案内していました。

ほとんどのお客様はノンアルコール飲料を楽しんだり、おしゃべりをしながら目的地までの時間を過ごされたりします。しかし、サービスエリアで缶ビールや日本酒を購入し、「これくらいなら大丈夫だろう」とこっそり飲まれる方も毎回のようにいらっしゃいました。

ご本人は周囲に気付かれていないと思われているようですが、バスガイドの席からは車内全体がよく見えています。缶を隠して飲む様子や、お酒の香りまで分かることも珍しくありません。

それでも私は、その場で「飲みましたよね」と注意することはしませんでした。

注意するのではなく、自分で判断していただく

旅行は、お客様にとって特別な一日です。

人前で注意をすれば、その方だけではなく車内全体の雰囲気まで悪くなってしまいます。しかし、神社によっては、ご祈祷への参列をお断りされてしまう場合もあります。

そこで私は積極的に参加者とお話をして過ごして関係値を深めるようにしていました。

神社へ到着した後、「もし飲酒された方がいらっしゃいましたら、正直にお申し出ください。飲酒された方が参列されると、ご祈祷を受ける皆様にもご迷惑が掛かってしまいます」とお伝えしていました。

すると、「少し飲んだから外で待っています」と、自ら申し出てくださる方がほとんどでした。

待ち時間も旅行の思い出になるように

ご祈祷は30分ほどかかります。

飲酒されたお客様だけをその場に残してしまうと、「待たされている」という印象だけが残ってしまいます。そこで私は休憩時間を使い、一緒に周辺を散策したり、お話をしたりしながら過ごすようにしていました。

「飲んだ自分が悪いから仕方ないね」と笑ってくださる方も多く、クレームになったことはほとんどありませんでした。

この経験から、人は「自分だけが注意される」ことよりも、「皆さんに迷惑が掛かる」と伝えられた方が、自ら行動を改めようと思えるのだと感じました。

伝え方ひとつで旅行の雰囲気は変わる

接客では、正しいことを伝えるだけでは十分ではありません。相手の立場や気持ちを考え、どう伝えれば気持ちよく受け入れていただけるかを考えることが大切です。

バスガイドとして多くのお客様をご案内する中で学んだのは、「注意すること」ではなく、「相手が自ら判断できるように伝えること」の大切さでした。

旅行の楽しい雰囲気を守りながら、ルールも守っていただく。そのバランスこそが、現場で培った接客の工夫だったと感じています。


ライター:くろちび

プロフィール
 バスガイドとして4年間、奈良・京都・大阪を中心に観光案内を担当。修学旅行や団体旅行、高齢者ツアーなど、さまざまなお客様をご案内してきました。現場で実際に経験した出来事や、旅行の裏側、接客を通して学んだことを、実体験をもとにお伝えしています。


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