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救急搬送中、赤信号の交差点で「危ない!」→死角から“飛び出して来たモノ”に「車内に緊張が走った」

  • 2026.8.23
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。ライターのとしです。

緊急走行中は、一刻も早く傷病者を医療機関へ届けたいという気持ちがあります。

それでも、わずかな油断が大きな事故につながるため、交差点では何度も安全を確かめなければなりません。

今回は、赤信号の交差点へゆっくり進み始めた直後、思わずブレーキを踏み込んだ事案をご紹介します。

赤信号の交差点で一度停止

傷病者を医療機関へ搬送するため、救急車はサイレンを鳴らし、赤色灯をつけて緊急走行していました。

当時、私は救急車の運転を担当していました。

進行方向の信号は赤です。

緊急走行中であっても、そのままの勢いで交差点へ入ることはありません。

交差点の手前で一度停止し、左右から来る車や横断歩道の状況を確認しました。

左右の車両は救急車の接近に気づき、すでに停止しています。
横断歩道を渡っている歩行者や自転車も見当たりませんでした。

助手席の隊長も左右を確認し、声を出して安全を知らせます。

見えている範囲では、交差点を通過できる状況が整っていました。

ハンドルを握りながら、救急車をゆっくりと前へ進めました。

停止した車の陰から突然現れたもの

交差点へ入り始めた、まさにその時です。

停止していた車の陰から、オートバイが突然現れました。

オートバイは止まっている車の横をすり抜け、そのまま交差点へ進もうとしていたのです。

救急車のサイレンに気づいていなかったのか、周囲の車が止まっている理由が分からなかったのかは定かではありません。

目の前に現れたオートバイとの距離は、瞬く間に縮まりました。

「危ない!」

そう感じた瞬間、すぐにブレーキを踏み、救急車を停止させました。

幸い、交差点へ徐行して入っていたため、接触することなく止まることができました。

ほんの少しでも速度が出ていれば、避けきれなかったかもしれません。

オートバイが目の前を通り過ぎたあと、車内には何ともいえない緊張感が残っていました。

止まった車が大きな死角になっていた

オートバイが通過したあと、改めて左右と横断歩道を確認し、緊急走行を続けました。

左右の車が停止していると、交差点全体が安全になったように感じます。

しかし、今回のように止まっている車そのものが大きな死角になることがあります。
その陰から、オートバイや自転車がすり抜けてくるかもしれません。

救急車から相手の姿が見えないだけでなく、相手からも救急車が見えていないことがあります。

さらに、すべての人がサイレンを聞いていたり、周囲の車が停止した理由を理解していたりするとは限りません。

「左右の車が止まったから、もう大丈夫」

そう感じた時ほど、見えていない場所へ意識を向ける必要があるのだと思います。

徐行していたから事故を防げた

緊急走行中は、できるだけ早く傷病者を医療機関へ届けなければなりません。

しかし、途中で事故を起こしてしまえば、搬送を続けられなくなるだけでなく、傷病者や周囲の人、救急隊員まで危険にさらすことになります。

今回、接触事故を防げたのは、赤信号の交差点で一度停止し、その後もすぐに止まれる速度で進んでいたからです。

見えている範囲の安全を確認しても、死角の先まで安全とは限りません。

だからこそ、交差点では速度を落とし、目視と隊員同士の声かけを繰り返す必要があります。

一刻を争う緊急走行中であっても、安全確認を怠れば、かえって傷病者を医療機関へ届ける時間を失うことになります。

「見えていない場所から、何かが出てくるかもしれない」

救急車のハンドルを握るうえで、その意識を持ち続けることの大切さを改めて感じた事案でした。


ライター:とし
元救急隊員。消防で17年、主に救急隊として活動し救急救命士資格を取得。現場経験をもとに、救急の分かりにくい部分を一般向けに噛み砕いて発信しています。


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