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「途中で止まるわけにはいかない」遠距離搬送中の救急車に“燃料不足の警告灯”が…!隊員たちを襲った想定外の危機に「緊張が走った」

  • 2026.8.14
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出典:photoAC ※画像はイメージです。

こんにちは。ライターのとしです。

猛暑日に救急要請が重なると、隊員は食事や水分を摂る時間さえ確保できないまま、次の現場へ向かうことがあります。

しかし、補給が必要なのは人だけではありません。

今回は、出動ラッシュの最中に遠距離搬送が決まり、走行中の救急車に燃料の警告灯が点灯した事案をご紹介します。

隊員も救急車も補給できないまま出場

その日は朝から救急要請が途切れず、現場と医療機関を何度も往復していました。

傷病者を引き継いでも、署へ戻る途中で次の指令が入ります。

隊員はまとまった食事を取れず、水分補給も移動中のわずかな時間に済ませるような状況でした。

そして、人の補給ができないのと同様に、救急車が給油所へ立ち寄る時間も確保できていませんでした。

燃料計の残量は確認していましたが、出場が続けば確実に減っていきます。

「次に署へ戻れた時に給油しよう」

そう考えていたところへ、新たな救急要請が入りました。

搬送先は離れた場所にある医療機関

現場で傷病者を観察し、医療機関へ受け入れ要請を行った結果、搬送先は距離のある病院に決まりました。

受け入れ先が決まった以上、傷病者の状態を確認しながら、安全に医療機関まで搬送する必要があります。

ただ、運転席から燃料計を見ると、残量が気になりました。

搬送先までの距離だけでなく、傷病者を引き継いだあと、どこで給油できるのかも考えなければなりません。

隊員同士でも燃料の残量を確認しましたが、搬送中に給油のため立ち寄ることはできません。

まずは傷病者を医療機関へ届けることを優先し、車両の状態にも注意しながら走行を続けました。

走行中に点灯した燃料の警告灯

遠距離搬送の途中、ついに燃料の残量が少ないことを知らせる警告灯が点灯しました。

その瞬間、車内に緊張が走ります。

「途中で止まるわけにはいかない」と、傷病者の観察を続ける隊員も、運転する機関員も、同じ思いでした。

燃料計を何度も確認しながら、急な加減速を避け、安全な走行を続けます。

警告灯が点灯したからといって、すぐに燃料がなくなるわけではありません。

それでも、あとどれだけ走れるのかを正確に判断することは難しく、決して安心できる状況ではありませんでした。

幸い、救急車が止まることなく医療機関へ到着し、傷病者の容体にも大きな変化はありませんでした。

現場で確認した情報や搬送中の経過を伝え、無事に医師や看護師へ引き継ぐことができました。

引き継ぎ後に急いで給油場所へ

傷病者を医療機関へ引き継いだあとも、まだ安心はできません。

このままでは、署へ戻る途中で燃料が尽きる可能性があります。

隊員は近くで給油できる場所を探し、何とか燃料を補給することができました。

給油所へ到着した時には、ようやく胸をなで下ろしたのを覚えています。

猛暑の中で出場が続くと、隊員は食事や水分を取れず、疲労も少しずつ蓄積していきます。

もちろん、通常であれば毎朝の点検で燃料を満タンにし、余裕を持った運用を徹底しています。しかし、この日はその想定をはるかに超える異常な出場ラッシュでした。

暑さと疲れが重なることで頭が十分に働かなくなり、普段なら早めに気づける燃料の残量や給油のタイミングについても、判断が後手に回ってしまうことがあります。

もちろん、傷病者の対応を最優先にすることに変わりはありません。

ただ、救急車が動けなくなれば、傷病者を医療機関へ搬送することも、次の現場へ向かうこともできなくなります。

出場が重なる時ほど、隊員の食事や水分補給だけでなく、救急車の燃料にも意識を向けなければなりません。

人と車両の両方に補給が必要であり、どれほど忙しくても安全を支える余裕を失ってはいけないと痛感した事案でした。


ライター:とし
元救急隊員。消防で17年、主に救急隊として活動し救急救命士資格を取得。現場経験をもとに、救急の分かりにくい部分を一般向けに噛み砕いて発信しています。  


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